リベンジポルノ(読み)りべんじぽるの

デジタル大辞泉 「リベンジポルノ」の意味・読み・例文・類語

リベンジ‐ポルノ(revenge porn)

リベンジ復讐の意》元交際相手や元配偶者の性的な写真動画などを、インターネット上で不特定多数の人に公開する嫌がらせ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「リベンジポルノ」の解説

リベンジポルノ

別れた恋人や配偶者に対する報復として、交際時に撮影した相手方のわいせつな写真や映像を、インターネットなどで不特定多数に配布・公開する嫌がらせ行為及びその画像。
かつて親密であったが関係がこじれた結果、相手に対して恨みや害意を抱き何らかの復讐(ふくしゅう)や嫌がらせを行うことは、従来からしばしば散見された。これに伴う具体的な犯罪事実や不法行為があれば、当然にそれぞれに応じた法制度などによって抑止もしくは裁かれてきた。近年になって、報復の手段として「リベンジポルノ」が多発し、その影響が深刻化している。要因としては、インターネットや撮影機能のあるスマートフォンなどの普及により、個人の情報発信が容易になったことなどが挙げられる。2002年には、出会い系サイトで知り合った少女の写真を、インターネットに流出させた男が摘発され、「児童ポルノ公然陳列」と「名誉毀損(きそん)」で裁かれるという事件があった。このほか、元交際相手の裸の写真を掲載したり、公開すると脅して強要罪に問われたりという事件が相次いでいる。
現行法では、事案の内容により脅迫罪、強要罪、わいせつ物公然陳列罪、わいせつ電磁的記録媒体物頒布罪、名誉毀損罪などが適用される。しかしながら、プライバシー侵害や「忘れられる権利」について、また被害者が自業自得などと他人から中傷されることなどについて、法制度の不備が論議されている。13年秋の国会では、野党議員からの質問に「現行法で対応できる」と法務大臣の答弁があったが、与党内でも新法や法改正を求める動きがある。

(金谷俊秀  ライター / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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