(R)-1,2-dithiolane-3-pentanoic acid.C8H14O2S2(206.32).チオクト酸ともいう.ビタミンの一種.リポ酸は広く生物界に存在し,乳酸菌や原生動物の発育因子として研究され,ウシの肝臓から結晶として単離された.その後,合成により構造が確立された.淡黄色の板状結晶.融点47.5 ℃,沸点160~165 ℃.
+104°(ベンゼン).ラセミ体より光学分割して得た(S)-リポ酸は生物活性を示さない.吸収極大は1,2-ジチオラン環にもとづくλmax 332 nm(ε 150,エタノール)を示す.有機溶媒に易溶,水に不溶.リポ酸は固体の状態では比較的安定であるが,融点近くに加熱するか,溶液の状態での光,とくに H+ の存在において迅速にゴム状または樹脂状の重合体を与える.種々の還元剤の作用で6,8-ジメルカプトオクタン酸になり,酸化によりスルホキシドを生成する.リポ酸は,種々の酵素やビタミン B1 の補酵素として,電子伝達に関与している.チアミン二リン酸(TDP)と共役して,ピルビン酸がアセチルCoAに酸化的に脱炭酸されるときにアセチル基の伝達を行うなど,アシル基の伝達に関与している.ほ乳動物は腸内細菌が合成したものを利用しているので,欠乏症はみられない.[CAS 62-46-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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