リュミエール(兄弟)(読み)りゅみえーる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リュミエール(兄弟)」の意味・わかりやすい解説

リュミエール(兄弟)
りゅみえーる

兄オーギュストAuguste Lumière(1862―1954)、弟ルイLouis Lumière(1864―1948) フランスの映画発明家、製作者。オーギュストは10月19日、ルイは10月5日ともにブザンソン生まれ。父は写真家で、一家リヨンで写真乾板工場を経営していたが、エジソンののぞきからくり式の「キネトスコープ」をもとに、現在の映画と同じ原理でフィルムをスクリーン上に映写する装置を発明、1895年2月に撮影機兼映写機「シネマトグラフ」の特許をとった。これは大ぜいの観客が同時に映像を見られる点で画期的であり、95年12月28日からパリで行われた初の有料一般公開は大成功を収め、翌年からは兄弟が外国に派遣した多数のカメラマンが宣伝と撮影を行うなど世界的発展を遂げて、今日の映画の基礎が築かれた。作品は『工場の出口』『赤ん坊の食事』『列車の到着』など、日常生活や街頭風景を実写した短い記録映画がほとんどである。

 映画に関する業績で中心的な役割を担ったルイは、実写映画大衆に飽きられて製作を打ち切った1903年以後も、カラー写真立体写真研究で数々の新方式を開発、19年科学アカデミー会員に選ばれ、48年6月6日南仏バンドルで没した。オーギュストは54年4月10日リヨンで没。

武田 潔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android