立体写真(読み)りったいしゃしん(英語表記)stereoscopic photography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

立体写真
りったいしゃしん
stereoscopic photography

立体視ができるように撮影された一組の写真。今日では 3D写真と呼ばれることも多い。対象の立体感は,両眼の網膜映像の視角ずれにより脳中枢で遠近を判断することで得られる(→両眼視差)。この立体視の原理を利用して,いくらか異なる角度から同一対象を撮った 2枚の写真を左右の眼で別々に同時に見るようにすると,対象が立体的に浮き出して見える。2枚の写真を余色(→補色)関係の色(たとえば赤と青)でそれぞれ重ね刷りしたものを余色写真(アナグリフ anaglyphic picture)といい,余色めがねで立体視が得られる。また,一組の写真の左右の像を互いに直交する偏光面をもつ偏光で投影し,偏光めがねで立体視する方法(偏光立体法 vectograph method)があり,この写真を偏光立体写真(ベクトグラフ)という。立体写真の実際的応用は,測量用航空写真(→空中写真),霧箱による粒子飛跡写真などである。両眼の視角ずれによる遠近測定の原理は,カメラの距離計や望遠測距儀などに応用されている。デジタルでも立体写真が撮れるカメラやレンズがある。(→立体映像立体音響

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デジタル大辞泉の解説

りったい‐しゃしん【立体写真】

画像が立体的に見える写真。同じ被写体をわずかにずれた角度から2枚の写真に撮り、左右に並べて左右の目でそれぞれを別に見るもの。左右を青赤色として1枚に焼き付け、その左右と逆の赤青色の眼鏡で見るものなどもある。ステレオ写真実体写真

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大辞林 第三版の解説

りったいしゃしん【立体写真】

画像が立体的に見える写真。ステレオ-カメラで撮影した左右の視差分だけずらした二枚の写真を立体鏡で見るものや、その写真を赤青二色で一枚に焼き込み、赤青二色の眼鏡で見るものなどがある。ステレオ写真。 → ステレオ-カメラ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

立体写真
りったいしゃしん
stereoscopic photography

ステレオ写真ともいう。両眼の視差と、両眼の視線を目的物に集中させる作用(輻輳(ふくそう))とによって立体感を与える一対の写真、またはその作製方法をいい、映画、テレビのほか航空測量や天体の観測などに応用されている。一般的には両眼の間隔(約6.5センチメートル)だけ離した2点(この距離を大きくとると立体感が誇張される)から同時に左右2枚の写真を撮影し、この一組の写真を専用のビューアーなどで観察する。なお、ホログラフィーによる三次元画像は、この範疇(はんちゅう)に入れないのが普通である。
 この一組の写真を撮影するためには、2個の同型写真レンズを約6.5センチメートル離して取り付けたいわゆる「ステレオカメラ」、もしくは、カメラのレンズの前に取り付け、ミラーなどによって光軸を二分割し、1枚の写真に左右一組の絵を撮影する「ステレオアダプター」が使用される。
 この一組の写真を、左右の関係を変えないように並べ、接眼レンズを通して鑑賞することができるようにつくられたものがビューアーである。また直交する偏光軸をもつ2台のスライドプロジェクターから一つのスクリーンに投影し、偏光フィルターをつけた眼鏡で観察する方法もある。[伊藤詩唱]

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