リーキ
りーき
leek
[学] Allium porrum L.
ユリ科(APG分類:ヒガンバナ科)の二年草。地中海沿岸地帯原産の野菜で、セイヨウネギ、ニラネギ、ポロネギなどとよばれる。葉はニンニクに似ているが、それより大形。葉身は扁平(へんぺい)で長さ30~50センチメートル、幅3~4センチメートル、中央脈から左右に折れている。地上には10枚余の葉身が重なって伸び、葉鞘(ようしょう)部は地中にあって太さ径3センチメートルほどのネギの白根状になるが、長さは30センチメートル以下。初夏に花茎が伸び、長さ1~2メートルになり、その先に径7~10センチメートルの球状の花序をつける。花は径約1センチメートル、花色は桃、紅、紫、白色である。多くの黒い種子が実って枯れるが、地中の根元に径1~5センチメートルの栗(くり)状の球根が数個でき、これが秋に発芽して繁殖する。春または秋に苗床に種を播(ま)き、苗を畑に定植。ネギ同様に土寄せして軟化栽培し、白根を冬季に収穫する。ヨーロッパでは古代ギリシア・ローマ時代から広く利用されている。日本へは明治初年に伝来したが、ネギが普及しているためと収量も劣るのであまり利用されていない。
[星川清親 2019年3月20日]
白根の部分を煮物、スープに、また若葉とともにサラダとする。ローマのネロ皇帝が美声の薬として愛用したといわれる。またリーキの類は花茎をわざわざ曲げくねらせて伸ばし、開花したものを生花材料とする。
[星川清親 2019年3月20日]
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リーキ
ニラネギ,ポロネギとも。地中海沿岸原産のユリ科の二年草。ほとんど分げつせず葉は扁平で重なりあい,長さ60〜90cm,幅5cmほど。花茎を2年目の6月ごろ出し桃色の小花を頂上に密生させる。西洋では普及した作物で,軟白した根を煮食したり,葉を白根とともにサラダにしたりする。日本には少ない。
→関連項目アリウム
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リーキ
Allium porrum; leek
ヒガンバナ科ネギ属の多年草。リークともいう。地中海地方原産。古くから野菜として栽培され,近年は日本でもいわゆる西洋野菜の一つとして市場に出回っている。ネギ(葱)よりも小型で,扁平な葉を左右 2列に生じ,基部は太い円柱形の偽茎をつくる。この部分を食用し,ジャガイモとともにスープやシチューに入れたり,あるいはまるごと調理したりする。花は 2年目の株に長い花茎を出してつき,淡紅色 6弁の小花を多数球状に集めてつける。リーキは古代ローマ人によってヨーロッパ各地やイギリスに持ち込まれ,かつてウェールズではリーキを身に着けて敵味方を識別し戦ったことから,そのモチーフが現在の国章に使われている。
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リーキ
〘名〙 (leek)⸨リーク⸩ ユリ科の二年草。地中海沿岸原産で野菜として主に欧州で栽培され、日本には明治時代に
渡来。ネギの一種で、葉は扁平、株分かれしない。夏、二メートルぐらいにのびた花茎の先に桃白色花をつける。洋葱。韮葱。
ポワロー。
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リーキ
[Allium porrum],[A. ampeloprasum].ニラネギ,セイヨウネギ,ポワロー,ポロネギなどともいう.ユリ目ユリ科ネギ属のネギの一種.サラダなどにする.
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デジタル大辞泉
「リーキ」の意味・読み・例文・類語
リーキ(leek)
ヒガンバナ科の二年草。長ネギに似て大形で、葉鞘を食用にする。6月ごろ、桃色などの小花を球状につける。地中海沿岸の原産で、日本には明治初年に渡来。西洋ねぎ。
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リーキ【leek】
ユリ科の二年草。別名をニラネギ,セイヨウネギともいう。また市場ではポロネギともいう。地中海沿岸の原産で,ヨーロッパ各地に広まり,熱帯域でも栽培されている。古代エジプト,ギリシアですでに栽培されており,ローマにも知られていた。ローマの暴君ネロは美声の薬として愛用したといわれている。日本へは明治初期に導入されたが,今までにあまり普及していない。日本のネギによく似ているが,幼植物のときから葉は扁平で,ネギのように円筒状にはならず,大きくなるにつれて葉は折れて垂れる。
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