ルイ18世(読み)ルイじゅうはっせい(その他表記)Louis XVIII

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルイ18世」の意味・わかりやすい解説

ルイ18世
ルイじゅうはっせい
Louis XVIII

[生]1755.11.17. ベルサイユ
[没]1824.9.16. パリ
フランス王 (在位 1814~15,15~24) 。ルイ 15世の孫,ルイ 16世の弟。初めプロバンス伯。 1771年サボア (サボイア) 公女マリ・ジョゼフィーヌと結婚。ルイ 16世による高等法院の追放解除や財務総監 C.カロンヌの改革案に反対し,全国三部会では第三身分の代議員数倍加を主張したため,反宮廷派の嫌疑をかけられたこともあるが,フランス革命勃発後,91年6月 20日ルイ 16世のバレンヌ逃亡の日,ベルギーに脱出。 93年ルイ 16世の刑死により摂政,95年甥のルイ 17世の死により国王称号を得,亡命貴族と連携し王政の復古に努力したが,革命軍の勝利とナポレオン (1世) 登場以後,亡命先を転々とした。 1814年3月連合軍がパリに入城してナポレオンがエルバ島に追放されると,イギリスと C.タレーランの支持を得て帰国し (第1次王政復古 ) ,同年6月神聖不可侵の世襲王権を規定するとともに,法の前の平等,所有権の不可侵,基本的人権を認めた憲法を制定。 15年ナポレオンの「百日天下」の間はベルギーのヘントに逃亡,ワーテルローの会戦後,第2次王政復古を果した。同年8月の王政復古後最初の下院選挙ではユルトラ (極右王党派) が圧勝したが,翌年ユルトラ議会は解散,新たな選挙で立憲王党派が多数派となり,E.ドカーズ内閣のもとで旧貴族とブルジョア妥協のうえに立つ安定した政治が行われた。しかし,20年のベリー公暗殺事件はユルトラに反攻の機会を与え,21年ユルトラのビレール伯が首相となり,国王は反動支配のなかで 24年死去した。

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改訂新版 世界大百科事典 「ルイ18世」の意味・わかりやすい解説

ルイ[18世]
Louis ⅩⅧ
生没年:1755-1824

フランス国王。在位1814-24年。ルイ16世の弟で,兄のバレンヌ逃亡事件を機に国外に亡命。ドイツで亡命貴族と合流し,ヨーロッパ各地をめぐり歩いて王党派勢力の結集に努めた。1814年の王政復古でブルボン朝を復活させ,王位に就いたが,再びアンシャン・レジームを樹立することは断念し,憲章(シャルト)を公布して立憲君主制による支配の安定を図った。
王政復古
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ルイ18世」の解説

ルイ18世(ルイじゅうはちせい)
Louis ⅩⅧ

1755~1824(在位1814~24)

フランス国王。ルイ15世の孫でルイ16世の弟。革命中は亡命して反革命を組織し,ナポレオン没落後に即位し,百日天下の間は亡命しており,1815年に復位。「憲章」を制定し,極右王党などの支持のもとに反動的な政治を行った。

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367日誕生日大事典 「ルイ18世」の解説

ルイ18世

生年月日:1755年11月17日
フランス国王(在位1814〜15,15〜24)
1824年没

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世界大百科事典(旧版)内のルイ18世の言及

【王政復古】より

…共和制,武家政治などによって支配の座を追われていた君主政体が,ふたたび旧体制を回復すること。通常,O.クロムウェルの共和政治崩壊後のイギリスにおけるスチュアート朝のチャールズ2世の即位,ナポレオン1世没落後のフランスにおけるブルボン朝のルイ18世の即位,および日本の明治維新,以上三つの歴史的事例をさすことが多い。英仏の場合,旧王政を支えていた貴族や僧侶らを中心とする〈王党派〉勢力の存在,また王朝が体現する伝統の権威の存続が,〈復古〉実現の条件となっていたが,旧王政(絶対主義王政,アンシャン・レジーム)を打倒した〈市民革命〉後の社会においては,ブルジョアジー等の新勢力の台頭,および合理主義的思考の発展に伴う伝統の権威の低下のゆえに,文字どおりの旧体制の〈復古〉は困難となる。…

※「ルイ18世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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