レオニダス(読み)れおにだす(その他表記)Leonidas

デジタル大辞泉 「レオニダス」の意味・読み・例文・類語

レオニダス(Leonidas)

[?~前480]古代スパルタの王。テルモピレー戦いで、ペルシア大軍に対し少数軍勢で戦って戦死武人かがみとされる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「レオニダス」の意味・読み・例文・類語

レオニダス

  1. ( Leonidas ) 古代スパルタの王。ペルシアがギリシアに侵入した際、テルモピレーの地峡を守って戦死した。西洋の武人の鑑とされる。前四八〇年没。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レオニダス」の意味・わかりやすい解説

レオニダス(スパルタ王)
れおにだす
Leonidas
(?―前480)

古代ギリシアのスパルタ王(在位前488~前480)。クレオメネス1世異母兄弟ペルシア戦争第2回遠征(前480)でギリシア側はテルモピレーとアルテミシオンに第一次防衛線を敷いた。このときスパルタは祭祀(さいし)の期間中で本隊を動かせず、精鋭300人とともにレオニダスをテルモピレーに派遣した。彼は7000人のギリシア連合軍を指揮、圧倒的に優勢なペルシア軍に抵抗してこの地を2日間守った。3日目にペルシア側は地元民の内通で知った間道を抜けて挟撃作戦に出た。レオニダスはペロポネソス勢を撤退させ、スパルタの精鋭と南ボイオティアのテスピアイ軍などとともに「玉砕」した。彼の死は、スパルタ戦士の理想を体現したものとしてたたえられた。

[古山正人


レオニダス(詩人)
れおにだす
Leonidas

生没年未詳。古代ギリシアの詩人。紀元前3世紀前半に活躍し、この時代を代表する詩人の1人。タレントゥムの出身で、貧窮のまま各地を放浪し、老いて異郷で没したという。現存する100編ほどのエピグラムは、ほとんど奉献詩と碑銘詩である。同時代のアスクレピアデスとは異なり、恋愛や飲酒を歌う作品がない。貧しい庶民に言及する作品が多いのも特徴的である。高度に完成された詩句は、装飾的で修辞学の色彩が強く、新造語や難解語が目だつ。その影響は大きく、ローマプロペルティウスやオウィディウスに及んでいる。

[伊藤照夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「レオニダス」の意味・わかりやすい解説

レオニダス
Leōnidas
生没年:?-前480

スパルタ王。在位,前488-前480年。第2回ペルシア戦争においてギリシア側はテルモピュライとアルテミシオン沖を結ぶ線を第1次防衛線とした。彼はギリシア連合軍を率いてテルモピュライに布陣し,戦いは3日にわたったが,ペルシア軍が間道を迂回してギリシア陣を挟撃すると勝敗は決した(テルモピュライの戦)。レオニダスは主力を撤退させ,スパルタ人精鋭300人,テーバイ軍などとともに踏みとどまって戦死,長く英雄としてたたえられた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レオニダス」の意味・わかりやすい解説

レオニダス
Leōnidas

[生]?
[没]前480. テルモピュレ
古代ギリシア,スパルタの王 (在位前 490頃~480) 。前 480年テルモピュレの隘路で,アケメネス朝の王クセルクセス1世の率いるペルシア大軍の進攻を食止めるために,わずかの手勢を指揮して最後まで戦い,全スパルタ兵ともども討死にした。その英雄的な行為はギリシア人に深い感銘を与えた。

レオニダス
Leōnidas

前3世紀前半のギリシアのエピグラム詩人。南イタリアのタレンツム出身。『ギリシア詞華集』に奉献詩,碑銘詩などおよそ 100編が収録されている。貧しい人々の日常生活を技巧を凝らした字句で綴った作が当時の人々に好まれた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「レオニダス」の解説

レオニダス
Leonidas

?~前480

スパルタ王。前480年テルモピュレーの戦いに数千のギリシア軍を率いてペルシア軍の進出を阻止。2日のちに内通者が出て包囲され,300人のスパルタ兵とともに戦死。現在に至るまで武人の鑑とされている。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

百科事典マイペディア 「レオニダス」の意味・わかりやすい解説

レオニダス

スパルタ王(在位前487年―前480年)。ペルシア戦争中,テルモピュライの戦で少数のギリシア軍を率いてペルシアの大軍を迎え撃ったが,内通者が出たため300人のスパルタ兵全員とともに戦死。ギリシア武人の範と称された。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のレオニダスの言及

【アギス[4世]】より

…すなわち借財の帳消しと土地再分配によって,市民権喪失者を市民身分に復し,自由人にふさわしい教育を受けて軍役能力のあるペリオイコイと外人に市民権を与え,4500の市民団を創出する計画がそれである。前242年に反対派の指導者であるもう1人の王レオニダス2世を廃し,借財の帳消しを実施した。しかし,叔父アゲシラオスの反対などにあって土地再分配を実施できず,これが改革失敗の原因となった。…

【テルモピュライの戦】より

…北ギリシアを南下進撃してくるペルシア軍に対してギリシア連合軍は,海軍をアルテミシオンに,地上軍を隘路(あいろ)テルモピュライThermopylaiに配置して,これを第1次防衛線とした。テルモピュライ守備についたスパルタ王レオニダス麾下(きか)の連合軍は海軍と呼応してよくクセルクセス1世の前進を阻止したが,ついに攻勢に出たペルシア軍との間に3日間にわたる死闘が展開された。合戦2日目の夕刻からペルシア軍の〈不滅隊(アタナトイ)〉がカリドロモス山中の間道アノパイアを夜を徹して進んでギリシア軍の背後に迫った。…

※「レオニダス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android