レゲエ(読み)れげえ(その他表記)reggae

翻訳|reggae

デジタル大辞泉 「レゲエ」の意味・読み・例文・類語

レゲエ(reggae)

ジャマイカポピュラー音楽。独特のアクセントをもつオフビートと、メッセージ性の強い歌詞に特徴がある。1970年代に世界ポピュラーミュージックに大きな影響を与えた。→スカ

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精選版 日本国語大辞典 「レゲエ」の意味・読み・例文・類語

レゲエ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] reggae ) 一九六〇年代にジャマイカに発生したポピュラー音楽の形式。アメリカリズム‐アンド‐ブルースの影響が強いが、独特のアフリカ色の濃いリズムを持つ。
    1. [初出の実例]「いいですね、レゲエといってもソウルフルで…。買ってみようかな、このアルバム」(出典:なんとなく、クリスタル(1981)〈田中康夫〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レゲエ」の意味・わかりやすい解説

レゲエ
れげえ
reggae

ジャマイカのポピュラー音楽およびダンスのスタイルの一種。二拍子系で後拍にアクセントがあるリズムと、社会への不満やラスタファリ運動(アフリカ回帰をスローガンとする宗教的性格の強い運動)への共感が織り込まれている、メッセージ性に富んだ歌詞をもつことに特色がある。初期にはアコースティック・ギターと打楽器類が中心であったが、近年では電気ギターやキーボードなどの電気楽器が多用される。その起源は、同地にもともとあった二拍子系の舞曲メントmentoなどが、アメリカ合衆国南部の黒人音楽の影響を受けたものといわれている。それが1960年代にはスカskaに、さらに70年前後からレゲエにと発展し、またこのころからジャマイカ以外にも知られるようになった。当時、アメリカなどを中心とするポピュラー音楽界では、単に技巧に走った音楽が多かったため、メッセージ性をもったレゲエの登場は大きな衝撃を与えた。以後ニューヨーク、ロンドンなどを中心に、世界のポピュラー音楽に影響を与え続けている。代表的な音楽家ボブ・マーリィBob Marley(1945―81)、ジミー・クリフJimmy Cliff(1948― )、グループにサード・ワールド(1973結成)らがいる。

[田井竜一]

『田川律・菅原光博著『レゲエ・ジャマイカの風と光』(1985・音楽之友社)』『スティーヴン・ディヴィス著、大橋悦子訳『ボブ・マーリー』(1986・晶文社)』『レナート・E・バレット著、山田祐康訳『ラスタファリアンズ』(1996・平凡社)』『ブライアン・ジャーン著、谷田博幸訳『レゲエ・アイランド』(1996・平凡社)』

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百科事典マイペディア 「レゲエ」の意味・わかりやすい解説

レゲエ

ジャマイカで1960年代に生まれた大衆音楽。伝統的な黒人のダンス音楽に米国のソウル・ミュージックの影響が加わって成立。ボブ・マーリーが1970年代に世界的に有名になり,ロックにも影響を与え,同じころ英国へのジャマイカ人移民が増加して同国にも広まった。また,マーリーらの第三世界人民の闘争を鼓舞するメッセージは,アフリカや南米のミュージシャンを刺激し,1980年代以降のワールド・ミュージックの台頭を促す大きな要因となった。→ラスタファリ運動
→関連項目クティサイモンジャングル(音楽)ディスク・ジョッキートラック・ダウンバングラー・ビートライ

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改訂新版 世界大百科事典 「レゲエ」の意味・わかりやすい解説

レゲエ
reggae

カリブ海のジャマイカで興った新しい大衆音楽。伝統的な黒人のダンス音楽に,アメリカのソウル・ミュージックなどの影響が加わって,1960年代後半に形成された。ボブ・マーリーBob Marley(1945-81)を中心としたザ・ウェーラーズThe Wailers(のちにボブ・マーリー・アンド・ザ・ウェーラーズ)のアルバムキャッチ・ア・ファイアCatch A Fire》が作られた72年をもって,レゲエが一定の音楽的成熟に達した年とみてよいだろう。そのころにはアメリカのポピュラー音楽にもレゲエの影響を取り入れたものが現れ始め,イギリスのロック・ギター奏者エリック・クラプトンEric Clapton(1945- )がマーリーの作品《アイ・ショット・ザ・シェリフI Shot The Sheriff》を取り上げたのがきっかけとなって,アメリカとヨーロッパでのマーリーの人気が急上昇し,レゲエは国際的に注目されるようになった。ロンドンにジャマイカ人移民が増加したこともあって,70年代後半からイギリスを本拠とするレゲエ・ミュージシャンも続出した。80年代に入ると,トーストtoastもしくはDJと呼ばれる,風刺性に富んだ,メロディのない早口言葉のようなボーカル・スタイル,ラバーズ・ロックlovers rockと称するラブ・バラッド的なものなど多様化し,世界のポピュラー音楽に広範な影響を及ぼしている。

 レゲエの背景として,エチオピアの皇帝ハイレ・セラシエを救世主とみる一種のメシア信仰,ラスタファリ思想Rastafarianismが存在する。これはアフリカ回帰を基調とした民族主義だが,精神主義的傾向の強い特異な体質をもったものである。
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音楽用語ダス 「レゲエ」の解説

レゲエ[reggae]

'60年代末、ジャマイカでスカ(ブルー・ビートともいう。アメリカのリズム&ブルースに影響されてできたジャマイカ独特の音楽)が発展して生まれた音楽。初期の頃は政治的、宗教的要素が強かった。スカよりもルーズな感じで、ウラ拍を強調した独特なリズムが印象的だ。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの成功によって世界的に知られるようになり、現在ではシャバランクスなどのダンス・ホール・レゲエ、ジャネット・ケイなどのラヴァーズ・ロック、アスワド、マキシ・プリーストなどのブリティッシュ・レゲエをはじめ、ジャンルも多様化している

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レゲエ」の意味・わかりやすい解説

レゲエ
reggae

1960年代後半,ジャマイカで生れた音楽。この国の大衆音楽メント mentoにリズム・アンド・ブルースなどの要素が加わったスカ skaがロック・ステディ rock steadyへと発展し,さらにアフリカの宗教音楽などの影響を受けて,複雑なリズムとメッセージ性の強い歌詞をもつレゲエが誕生した。レゲエの語が初めて使われたのはトゥーツ・アンド・ザ・メイタルズの『ドゥ・ザ・レゲエ』 (1967) で,70年代なかばのボブ・マーリーの登場によってその名が世界に広まり,ジャズやロックにも影響を与えた。

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