レンニン

百科事典マイペディア 「レンニン」の意味・わかりやすい解説

レンニン

キモシン,凝乳酵素とも。タンパク質分解酵素一種哺乳(ほにゅう)類の幼体,特に子牛の第四胃に存在。不活性のプロレンニンとして分泌され塩酸活性化される。カルシウムの存在下で乳中のカゼインに働いてこれを凝固させる。硫黄を含むタンパク質で分子量約3万1000。レンネット(凝乳剤)としてチーズ製造に利用される。
→関連項目カゼインカード(酪農)チーズホエー

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化学辞典 第2版 「レンニン」の解説

レンニン
レンニン
rennin

EC 3.4.23.4.乳タンパク質であるカゼインを消化しやすいカゼイン(パラカゼイン)にする酵素.芳香族アミノ酸を含むペプチド結合のアミノ基側を加水分解するが,基質特異性は低い.子ウシの反芻胃中に存在し,吸湿性の黄色の粉末.水にほとんど不溶.分子量3.4×104.動物の成長に伴いこの酵素は減少し,ペプシンにかわる.チーズの製造に利用される.血圧調節に重要なペプチドであるアンギオテンシンを生成する酵素レニン(renin)と名前が似ているので混同しないように注意すること.[CAS 9001-98-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レンニン」の意味・わかりやすい解説

レンニン
rennin

別名キモシン chymosin。子ウシなどの胃に存在する酵素。凝乳作用を示すプロテアーゼ (蛋白質分解酵素) の一種。胃中で初めはチモーゲンとして存在するが,酸の作用で活性化する。子ウシの胃または市販のレンネットから結晶として得られる。子ウシが成長すると,レンニン生成は低下し,そのかわりペプシン生産が高まる。レンニンによるペプチド鎖の加水分解点は,ペプシンと同様に厳密な特異性を必要としないが,芳香環をもつアミノ酸残基が2つ並んでいる結合がよく加水分解される。牛乳にこの酵素を0℃で Ca+ なしに反応させると凝固が起る。その最適 pHは 5.4以下。

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世界大百科事典(旧版)内のレンニンの言及

【レンネット】より

…凝乳酵素レンニンrenninを主成分とする酵素剤。粉末,錠剤あるいは液状で市販されている。…

※「レンニン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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