イギリスの物理学者。1881年に新設のリバプール大学物理学教授となり、エーテルや電磁波の研究を行った。マイケルソン‐モーリーの実験のあとにもかかわらず、1893年エーテルが物体の運動に随伴するかどうかという実験を行い、否定的な結果を得た。彼がコヒーラーと名づけた電磁波の検波管の発明も有名。1900年バーミンガム大学総長に選ばれ、物理学会や大英科学振興会の会長を歴任した。第一次世界大戦で息子を失って以降、心霊術に熱中した。
[川合葉子]
アメリカの政治家、法律家、文筆家。ボストンの名門の出でハーバード大学、同法学校を卒業、政治学博士となる。一時同大学で歴史学を講義したこともある。また思想・歴史家のH・アダムズと『北アメリカ評論』誌を編集(1873~76)。連邦下院議員、同上院議員を歴任し、共和党保守派指導者として重要な役割を演じ、保護関税を主張し、銀貨自由鋳造、上院議員直接選挙、女性参政権などに反対した。また帝国主義的海外膨張を推進し、フィリピン領有に賛成、パナマ運河建設を企図するT・ルーズベルトの策動を支持した。ウィルソン大統領に対抗、上院外交委員長としてベルサイユ条約と国際連盟加盟に反対した。
[高橋 章]
『W. C. WidenorHenry Cabot Lodge and the search for an American foreign policy(1980, University of California Press, Berkeley)』
イギリスの詩人,作家。父はロンドン市長であった。オックスフォード大学で教育を受け,続いて法曹界に入る予定であったが,興のおもむくままに文筆に専念する。〈大学才人〉と呼ばれる一群の作家の一人である。《演劇の擁護》(1580)は自己の文学的立場の宣言となったが,文名が高まったのは,牧歌風ロマンス《ロザリンド》(1590)のゆえであった。文体には当時新鮮であった〈ユーフュイズム〉(J.リリー)を駆使し,美文調の散文を連ねつつ,牧歌詩や恋愛ソネットをちりばめて,時代の好みに訴えている。筋も登場人物も,シェークスピアの《お気に召すまま》の原型となった。恋愛詩集《フィリス》(1593)も有名。何度か大航海に出て,ルネサンス人らしい拡大志向を示しているが,後年はローマ・カトリックに改宗し,また医学を修めて,《疫病論》(1603)なども著している。
執筆者:川崎 寿彦
イギリスの物理学者。スタッフォードシャーの生れ。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジに学ぶ。1881年リバプール大学物理学講座の初代教授となり,1900年,バーミンガム大学の創立とともに初代学長に就任。電磁波の伝搬,エーテル理論の研究で知られ,また電磁誘導無線電信を発明し,電波の同調を初めて行うなど,G.マルコーニの無線電信に道を開いた。晩年は心霊術にこり,死者との交信を信じた。
執筆者:田中 国昭
アメリカの共和党政治家。ボストン生れ。マサチューセッツ州議会議員,連邦下院議員を歴任後,1893年から連邦上院議員を30年間務める。おもに外交分野で活躍。19世紀末には,強力な海軍と領土併合の必要性を唱えて当時の海外膨張政策を支持し,第1次世界大戦後には,上院外交委員長としてベルサイユ条約批准反対論者の先頭に立ち,アメリカの国際連盟加入を阻んだ。
執筆者:藤本 博
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…終戦後みずから渡欧してパリ講和会議を指導し,念願の国際連盟規約を成立させた。しかし国内では連盟による国家主権の制約を恐れる声や孤立主義者の反対があり,共和党員の上院外交委員長ロッジHenry C.Lodgeの工作で,上院は連盟規約を含むベルサイユ条約の批准を拒否した。ウィルソンは国民に直接訴えるべく全国遊説を強行して,途中19年9月病に倒れ,連盟加盟の最後の機会として期待した20年の大統領選挙も民主党の大敗に終わって,失意のうちに世を去った。…
… ドイツにおけるPTRの設立と,そこでの華々しい成果は,ライバル諸国にも影響を与えた。たとえばイギリスでは,1890年代から物理学者のロッジO.J.Lodge(1851‐1940)を中心に国立研究所設立の動きが始まり,イギリス科学振興協会(BAAS)が,これをバックアップした。当初,イギリス政府は,財政的困難を理由に,国立研究所設立に難色を示したが,科学者たちは粘り強い運動を続けて,ついに1900年,ローヤル・ソサエティの管轄下に国立物理学研究所National Physical Laboratory(NPL)が誕生した。…
※「ロッジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...
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