ロティ(読み)ロチ

デジタル大辞泉 「ロティ」の意味・読み・例文・類語

ロチ(Pierre Loti)

[1850~1923]フランス小説家。海軍士官として各国歴訪、そのときの印象もとに独自の異国趣味文学を創出日本にも来航した。作「アフリカ騎兵」「氷島の漁夫」「お菊さん」など。ロティ。

ロティ(roti)

中近東インド東南アジア発酵させない平焼きパン全粒粉をこねて円盤状にし、鉄板上で焼いたもの。

ロティ(〈フランス〉rôti)

ロースト(蒸し焼き)した料理のこと。ロースト用の肉のこともいう。

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精選版 日本国語大辞典 「ロティ」の意味・読み・例文・類語

ロティ

  1. ( Pierre Loti ピエール━ )[ 異表記 ] ロチ フランスの小説家、軍人。中近東やアフリカ・東洋の各地を旅行し、紀行文や小説を発表。来日し、「お菊さん」など日本を題材とした作品数編を書いている。代表作氷島の漁夫」。(一八五〇‐一九二三

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改訂新版 世界大百科事典 「ロティ」の意味・わかりやすい解説

ロティ
Pierre Loti
生没年:1850-1923

フランスの小説家,海軍士官。本名Julien Viaud。ロシュフォールプロテスタントの家庭に生まれ,市の収入役をしていた父親の失脚に伴い一家が困窮,教育を受ける方便として海軍兵学校を志願,以後海軍士官としての道を歩む。19世紀後半西ヨーロッパ列強の植民地獲得競争の機運にのって,いわゆる異国情緒(エキゾティシズム)に対する関心が高まった際に,海軍士官として世界各地に遠洋航海・寄港した体験をもとに,感傷的な淡いロマンティスムで味付けした恋愛物語を書いて,一時大いにもてはやされた。代表作としては《アフリカ騎兵》(1881),《ロチの結婚》(1882),《氷島の漁夫》(1886)などがある。日本にも3回寄港し,《お菊さん》(1887),《お梅が三度目の青春(はる)》(1905),《秋の日本風物》(1889)などの作品を書いている。最後の作品中の短編《江戸の舞踏会》は鹿鳴館の洋式舞踏会のありさまを描いて,芥川竜之介の短編《舞踏会》の粉本となったことでも知られている。
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百科事典マイペディア 「ロティ」の意味・わかりやすい解説

ロティ

フランスの作家。本名Julien Viaud。海軍士官としてアフリカ,東洋などの諸国を歴訪,日本へも3度寄港している。その見聞をもとに色彩豊かな異国情緒(エグゾティシズム)のあふれる小説を書く。処女作《アジャデ》(1879年),《お菊さん》(1887年)など。ほかにブルターニュ,バスク地方に取材した《氷島の漁夫》《ラムンチョ》。
→関連項目オリエンタリズム紀行文学

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普及版 字通 「ロティ」の読み・字形・画数・意味

汀】ろてい

岸。

字通「」の項目を見る


邸】ろてい

酒店。

字通「」の項目を見る

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ロティ」の解説

ロティ【rôti(フランス)】

ローストした肉料理。⇒ロースト

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロティ」の意味・わかりやすい解説

ロティ
ろてぃ

ロチ

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世界大百科事典(旧版)内のロティの言及

【フランス料理】より

…アントレとローストの間に口直しとして出されるため,甘みをおさえてある。(6)ロースト 鳥獣肉を大きな塊のままオーブンで焼いたもので,フランス語ではロティと呼ぶ。最近は肉料理はローストかアントレのいずれか1品だけのことが多い。…

※「ロティ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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