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ワカメ

5件 の用語解説(ワカメの意味・用語解説を検索)

栄養・生化学辞典の解説

ワカメ

 [Undaria pinnatifida].褐藻綱コンブワカメ属の海藻の一つ.日本で広く食用にされている.

出典|朝倉書店
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百科事典マイペディアの解説

ワカメ

褐藻類アイヌワカメ科の一年生海藻。日本各地沿岸の低潮線付近から約10mの海底に生育。広楕円形で高さ50〜150cm,羽状に裂ける。冬〜春,盛んに生育,春〜初夏,基部付近に耳状の胞子葉(いわゆるめかぶ)をつくり,多数の遊走子嚢をつける。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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海藻海草標本図鑑の解説

ワカメ

からだは中肋に続く茎部と,中肋の左右に対生にでる葉部,繊維状の仮根部からなる。生長すると茎部の下部の両脇にはヒダができ始め,通称「めかぶ」と呼ばれる胞子葉(遊走子嚢群)となる。アラメカジメと 同様に異型世代交代を行うが,藻体(胞子体)はアラメやカジメとは異なり,一年生である。根は繊維状で枝分かれし,互いに絡み合って団塊状の付着器を作 る。葉部の左右には切れ込みがあるが,地域により,この切れ込みの深さが異なる。銚子に生育するワカメは,この切れ込みが深いタイプである。ワカメはヒジキなどとともに古くから食用とされている。銚子のワカメを食べてみたが,やや肉厚で歯ごたえが良く絶品であった。また,コンブと並んで加工製品の種類も多く,養殖も行われている。湯通しした「めかぶ」をみじん切りにすると,ネバネバしてくる。これをワサビ醤油で食べると美味である。最近,湯通ししてみじん切りされ,タレで味付けされた「めかぶ」が珍味として販売されている。

出典|千葉大学海洋バイオシステム研究センター銚子実験場「海藻海草標本図鑑」
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食の医学館の解説

わかめ【ワカメ】

《栄養と働き》
 ワカメは、若さに通じるとして「若布」という漢字があてられています。食用の歴史は古く、『古事記』『万葉集』にもその名がみられます。
 流通するワカメは生ワカメ、干しワカメや塩蔵ワカメがあります。生ワカメといっても、海から刈り取られたままではなく、一度湯通ししたものです。
 産地は、北海道西部から九州までと幅広く、とくに塩の流れのはげしい鳴門海峡(なるとかいきょう)の鳴門ワカメや、三陸外海の南部のワカメが有名。ほかに佐渡、房総、伊豆、島根などでも天然もののワカメがとれます。養殖は1965年ごろからさかんになり、現在は養殖ものが大半を占めるようになりました。
 養殖といっても魚とちがい、エサなどを与えないので安全性に問題はありません。
 生ワカメは日持ちしないのであまり出回りません。
○栄養成分としての働き
 注目される栄養は、ぬめり成分のアルギン酸フコイダンなどの多糖類と、カルシウムヨード(ヨウ素)です。アルギン酸は、腸のナトリウムと結合して体外に排泄(はいせつ)させる働きがあるので、塩分のとりすぎを防ぎ、血圧の上昇を抑える作用があります。つまり高血圧や動脈硬化の悪化を防ぐことが期待できます。
 ぬめり成分の多糖類などの食物繊維は、便秘(べんぴ)を解消させ、大腸がんを防ぐ効果が得られます。
 ヨードは、新陳代謝をうながし細胞を活発化させ、病気に負けない抵抗力を養う成分です。アミノ酸と結びついて甲状腺(こうじょうせん)ホルモンをつくるので、ヨード不足による甲状腺ホルモンの障害をもつ人はすすんで摂取する必要があるでしょう。
 ほかに、活性酸素の害を防ぐカロテン、健康な歯や骨をつくり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を防ぐカルシウムなども含まれます。
 そして、ピロリ菌が胃壁につかないようにするフコイダンという物質も、ワカメには含まれています。
《調理のポイント
 生ワカメは若いほど味がよく、早春が旬(しゅん)です。
 干しワカメは黒緑色でつやがあり、厚みと弾力性があるものを選びましょう。塩蔵ワカメは、塩がたくさんまぶされていないもので、日焼けによる変色を防ぐため、色つきの袋に入っているものに目をつけるのが徳です。
 調理するときは、乾燥ワカメは水につけてもどします。
 塩蔵ワカメは水で洗って塩を落とし、熱湯にさっととおすと鮮やかな青色になります。
 ワカメは、酢のもの、和えもの、汁の具、野菜との煮もの、かき揚げなどいろいろな用途に使えます。
 なかでも酢との相性がよく、コレステロール値や血圧を下げる効果を補強するほか、素材をやわらかくします。
 ところで、ワカメの中肋(ちゅうろく)を集めたものが「クキワカメ」。つくだ煮や漬けものに加工されます。
 根の部分にあたるところが「メカブ」。ぬめりが強く歯ごたえがあり、酢のものやメカブトロロとして人気があります。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ワカメ
わかめ / 若布・和布
[学]Undaria pinnatifida Suringar

褐藻植物、コンブ目の海藻。古くから食用とされてきた海藻で、『万葉集』で稚海藻(わかめ)、和海藻(にきめ)などとして詠まれている。藻体は暗褐色を呈し、外観的には茎・葉・根の三分化がある。茎は無分岐で、上部は柔らかい膜質の葉部となるが、その中央には茎の続きである中肋(ちゅうろく)が先端まで伸び、葉縁は側出葉を数多く出す。体長50センチメートルから1.5メートルになる大形海藻で、ときに2メートルを超えるものもある。葉部の下方の茎にはひだの多い厚肉質の胞子葉(俗に「めかぶ」あるいは「みみ」とよぶ)がつくられる。外海の浅所に生じ、冬春に繁茂し、初夏から盛夏に枯死する温海性の一年生藻。かつては日本周縁と朝鮮半島南半部両岸にのみ天然分布する日本近海特産の属種であったが、最近では養殖技術の進歩によって、中国やフランスなどでも養殖されている。東北地方以北の寒海域産はとくにナンブワカメ型とよばれ、体型は日本中南部の温海域産の普通型よりも狭長となる。茎部は長く、胞子葉は葉片の下方に離れてつくられ、繁茂期も7~8月となる。また、ナンブワカメ型では質がやや硬めとなる。
 一見、ワカメに似る海藻にチガイソ(別名サルメン、サルメンワカメ)Alaria crassifoliaがある。この種は茎が長く伸びて体先端まで続き、葉部で中肋となる点はワカメと同様であるが、側出片がなく、胞子葉は多数片に分かれることで区別される。チガイソも食用とされるが、ワカメほどの普遍性はない。なお「子持ちわかめ」とよばれる特異な食品があるが、これはアラスカなどの沿岸産チガイソの葉片上にニシンが卵を産み付けたものである。かつては北海道北東部や千島列島沿岸でも同じようなものが産していたが、ニシンの減少とともにみられなくなったという。[新崎盛敏]

ワカメの生活環

われわれが一般にワカメとよんでいるものは胞子体であり、胞子葉に胞子嚢(のう)がつくられると、やがて遊走子(無性生殖を行う胞子の一種で、鞭毛(べんもう)をもって水中を運動する)が放出される。遊走子を放出したあとの母体は枯死・流出してしまうが、泳ぎ出た遊走子は海底の石や岩に着生・発芽して、微小な糸状の配偶体となる。配偶体には雌性配偶体と雄性配偶体の別があり、それぞれ卵か精子をつくり、受精は精子が卵のところへ泳いでいって行われる。受精卵は発芽・成長してワカメ(胞子体)となる。このように、ワカメでは(コンブも同様であるが)、複相(胞子体)→単相(雌性配偶体や雄性配偶体)→複相(受精卵からの発芽)という世代交代が行われる。また、ワカメにおける配偶体は1ミリメートル内外の糸状分枝体であり、ワカメとは形状や大きさが著しく異なるため、こうした世代交代を異形世代交代とよんでいる。[新崎盛敏]

ワカメの養殖

日本でワカメの養殖が本格的に研究されるようになったのは1955年(昭和30)ころからである。養殖技術の開発は、ワカメの配偶体が微小であるため、その大量を陸上の大型タンク内で人工培養すれば、農業での種播(ま)きに似たようなことができるのではないかという発想から出発したものであった。当時の日本では、コンコセリス(アマノリ属やウシケノリ属の果胞子が二枚貝の貝殻内につくる微小な糸状分枝体)の大量培養によるノリ養殖の人工採苗法が成果をあげていたため、これらの諸知識はワカメの養殖にも応用することが可能であった。これを背景に、配偶体の培養条件、体糸生育や卵・精子の生成、受精卵の発芽・成長といった研究テーマは、思いのほか進展が速やかであった。
 ワカメの遊走子が盛んに放出される時期は4~6月ころであり、温度、光、水の流動、肥料などの培養条件が好適であれば、3週間くらいで世代交代を完了させ、夏のころにも幼芽体を出現させることができる。しかし、そのころの海の上層は高水温であるうえ、強日射であるため、幼芽体を海に移すと死滅しやすい条件となっている。このような海の環境条件を変えることは不可能であるため、人工採苗を効果あらしめるには、海水温が20℃内外に低下し、日射も弱くなる10月中旬から下旬ころまで、陸上の採苗池内の温度や光量を調節して、配偶体や幼芽体の成熟・成長を抑制あるいは促進しながら培養を続ける必要がある。海中での実際の養殖には多様な型式がとられているが、基本的には、ブイをつけた太い軸縄に細縄(垂下縄(すいかじょう))を延縄(はえなわ)式・暖簾(のれん)式に垂れ下げ、これに幼芽体を生育させるような方式がとられている。垂下縄を上下させれば、幼芽体の成長促進・抑制が可能となるわけである。
 こうした養殖技術の開発によって、海底岩上に固着の天然ワカメよりも生産期を早めたり遅くしたりすることができるほか、天然ワカメの分布のないところでも、配偶体・幼芽体を適当な時期に移植すれば、ワカメ生産が可能となる。日本各地において実際にワカメの養殖が行われるようになったのは1960年ころからであり、60年代なかばには、養殖ワカメの生産量と天然ワカメの生産量はほぼ等しくなっている。農林水産統計によれば、1985年の天然ワカメ類の漁獲量は7193トン、2005年(平成17)には3613トンであり、海面養殖業による養殖ワカメの収穫量は1985年に11万2376トン、2005年には6万3083トンとなっている。[新崎盛敏]

食品

諸国からの貢納品を定めた大宝律令(たいほうりつりょう)(701)中にすでに名が出ており、『延喜式(えんぎしき)』(927)には今日の三重、愛知、島根、長崎、福島県などから大量に送られてきたことが記されている。このようにきわめて古くから連綿と日本人に親しまれてきた食品であるから、その間に用法にもかなりの変遷があったはずだが、ことに近年は製品が多様化し著しい変革が起こった。その起因は、1960年(昭和35)ごろから本格化した人工養殖と冷蔵法・加工法の進歩とにある。養殖法確立以前には天然産だけで、産地や生産期は限られ、品質も堅いものなどがあった。養殖物ができると、新産地が増え、生産期も前後に延びて生産量が4~5倍になったうえに、柔らかいワカメが得られるようになった。一方の加工法でも、天然物時代には乾物がほとんどであった。採取したワカメをそのまま砂の上で干した乱干しワカメ、水洗いし、茎を取り除き、糸状にして干した糸ワカメ、一枚一枚ていねいに押し広げて干した板ワカメ、板ワカメを揉(も)み砕いた揉みワカメ、これに味をつけた味付けワカメ、採取後、木灰をまぶしてから干した灰干しワカメ、木灰汁に浸(つ)けたあとに水洗いして脱灰し、掛け干しした鳴門(なると)式ワカメなどであった。木灰処理をすると体色保持力が強まる事実にヒントを得た体色保持の処理法の開発と、冷蔵や冷凍技術の進歩があって、養殖ワカメの生産後は生体に近い生(なま)ワカメも市販されるようになった。さらに化成フィルムで包んだ保存性食品の出現で多種多様のワカメ加工品が出回っている。また、ワカメの根の近くにできる芽かぶ(胞子葉)の利用も普及している。
 ワカメの栄養価値については古くから、ヨードとカリウムを多量に含み、動脈硬化、高血圧の予防や頭髪を黒く保つのに効果がある保健食品といわれてきた。最近の栄養学的観点からも、鉄やカルシウム、ビタミンA・B・Cの含有が多く、また血栓形成を防ぐ有効物質とされるEPA(エイコサペンタエン酸)も多く含まれ、含有タンパク質の消化率も良好などと、その食品的価値はいっそう高く見直されるようになっている。
 食品として選ぶには暗緑色のものがよく、色の美しすぎるものには人工着色品もあるので注意を要する。乾燥品は、そのまま食べるものは別として、水にもどしてから調理する。汁の実がもっとも一般的であるが、ヨードは油やアルコールに溶けるが水には溶けないので、ドレッシングを用いるサラダ料理や油炒(いた)めした野菜との炊(た)き合わせなどもよい。サラダ料理にはキュウリやカイワレナ、ウド、鶏肉、イカ、貝類などさっぱりしたものとの組合せがよい。炊き合わせにはダイズやタケノコ、ニンジンなどがよくあう。そのほか酢の物、和(あ)え物など調理方法は多様である。近年は栄養面から非生産国での利用も増し、フランスでは種苗を日本から入れて養殖に力を入れている。西欧でのワカメ食の普及に伴い洋風料理も多くくふうされてきている。[新崎盛敏]

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