日本大百科全書(ニッポニカ) 「エイコサペンタエン酸」の意味・わかりやすい解説
エイコサペンタエン酸
えいこさぺんたえんさん
不飽和脂肪酸の一つで、油状の液体。EPA(eicosapentaenoic acid)と略称される。またイコサペンタエン酸(IPA)ともいう。サケ、サバ、イワシなどの魚油中に多く含まれる。グリーンランドのエスキモーに冠状動脈硬化症など虚血性心疾患の発生率が低いところから、血中の脂肪酸を調べると、白人に比べてアラキドン酸(エイコサテトラエン酸)が少なくEPAが多いことが1976年に報告され、さらに寒帯にすむ脂肪分の多い魚を多量に食べる集団でも、疫学的研究から同様の結果が得られた。その後EPAに血小板凝集抑制作用のあることが認められ、冠状動脈硬化症に有効ということで注目されている。
[幸保文治]
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