一斉保育(読み)いっせいほいく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「一斉保育」の意味・わかりやすい解説

一斉保育
いっせいほいく

幼稚園、保育所、認定こども園などにおける集団的な幼児教育の形態の一つ。保育者(教師、保育士など)の強い指導性のもとに、クラスなどの大きな集団単位で共通の課題や活動に取り組む。幼児教育の教育形態は一斉保育型と自由保育型とに分けて論じられることが多く、一斉保育が教育時間全体のなかで高い割合を占める園を一斉保育型、子どもひとりひとりの自発的な遊びや活動を中心に運営されている園を自由保育型とよぶことが一般的である。この区別は相対的なもので、明確な基準があるわけではない。

 描画造形唱歌舞踊演奏などの表現的な活動、体育や食育、生活上の指導など、その内容はさまざまである。保育者は、教育的な意図と計画性をもって一斉的活動を提案し、クラス全体や学年全体などの比較的大規模な集団で、同時に、同じ内容のことに、個々(あるいはグループ)で取り組ませる。昼食、散歩、運動会等の行事は、通常一斉的活動に含まない。

 日本就学前教育は、子どもの自発性および直接指導によらない環境による指導を重視するため、一斉保育は非難対象になりやすいが、子どもひとりひとりの個性を尊重した理解に基づき、状況即応的で柔軟な指導のもとに幼児期にふさわしい保育を行うことは、一斉保育的教育形態においても可能でないわけではない。一斉保育型であるからといって、子どもの自発性が軽視されているとは一概にいえない。

[浜口順子 2018年4月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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