一時預かり(読み)いちじあずかり

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一時的に家庭での保育ができない場合、おもに昼間において認定こども園、幼稚園、保育所などが乳幼児を預かり、必要な保護をする事業。市町村が「子ども・子育て支援法」に基づいて実施する地域子ども・子育て支援事業の一つである。正式名称は一時預かり事業。理由を問わず利用できる制度であるが、市町村や施設によっては緊急的保育(保護者の病気や出産、家族等の看護・介護、冠婚葬祭などによるもの)と、非定型的保育(保護者の不定期の就労・就学、職業訓練などによるもの)のみに限定していることもある。

 保護者の子育てを支援し、一時預かり事業を普及させるため、2015年度(平成27)から従来の職員の資格要件や人員配置基準などを緩和するとともに制度の見直しが図られ、四つの事業類型として再編された。(1)一般型 保育所保育指針に準じた保育内容で、保育従事者の資格要件は原則として保育士であるが、平均利用人数が少ない場合に限って家庭的保育者をあてることも可能。保育従事者の2分の1以上を保育士とし、それ以外は子育て支援員など一定の研修を受けた者とする。(2)余裕活用型 保育所、認定こども園、小規模保育などの入所数が定員に達していない場合に、定員の範囲内で実施される。担当職員の資格要件は保育士、幼稚園教諭、家庭的保育者などとして認定を受けている者に限られる。設備や運営はそれぞれの施設の基準に則(のっと)って行われる。この事業類型は2014年度に設けられた。(3)幼稚園型 幼稚園と認定こども園を対象に、2015年度に新設された事業類型。教育時間の前後や休業期間などに、実施されていた預かり保育を弾力的に見直すもので、おもに在園児がその対象である。ただし、同一施設で一般型を併設し、在園児以外の子供を預かることも可能になった。資格要件は保育士か幼稚園教諭で、2人以上の担当職員が必要であるが、専任の保育士か幼稚園教諭が1人いる場合は、幼稚園の職員または市町村長が行う研修を終了した者をかわりに配置することができる。(4)居宅訪問型 おもに障害や疾病などのため、集団保育が困難であると認められる乳幼児を対象とし、子供の居宅において実施されるもの。実施主体は居宅訪問型保育事業者として認可を受けている者で、家庭的保育事業の設備運営基準に基づき、保育士、または必要な研修を修了して保育士と同等以上の知識や経験を有すると市町村が認めた者が、子供と1対1で保育に携わる。これも2015年度に新設された事業類型である。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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