日(太陽)・月、および土星・木星・火星・金星・水星の5惑星の毎日の宿度(二十八宿(にじゅうはっしゅく)の基準となる距星から赤道に沿って測った経度)を書き記した暦本。七星暦、七政暦とも書くことがある。一種の天体暦である。元来、中国渡来のものであるが、『延喜式(えんぎしき)』によると、七曜暦は毎年、正月朔日(ついたち)に陰陽寮(おんようりょう)から奏進したもので、10世紀初めには日本でも編纂(へんさん)されていた。中世に至って一時中絶したことがあるが、貞享(じょうきょう)改暦(1685)のとき、渋川春海(しぶかわはるみ)から奏請して復活し、明治初めまで継続した。七曜暦は常用暦ではなく、特殊な暦であり一般用ではないが、天文方で編纂の七曜暦は京都の大経師降屋(ふるや)と、江戸暦師仲間により版行して一般にも頒布したものである。
[渡辺敏夫]
『渡辺敏夫著『日本の暦』(1976・雄山閣出版)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…正倉院に伝わる具注暦や地方官衙跡から出土した具注暦は,いずれも御暦の奏,頒暦の手続などを経たものである。なお毎年正月元日の節会の終了後に,中務省が七曜御暦を奏上する儀が行われるが,七曜暦は,日月や五惑星などの天体の位置を示したものである。【米田 雄介】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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