日本歴史地名大系 「七里渡」の解説
七里渡
しちりのわたし
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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桑名渡,熱田渡,間遠渡ともいう。徳川家康が1601年(慶長6)に東海道を制定したとき,尾張国宮(熱田)宿と伊勢国桑名宿の間は海上を七里渡と決め,これを官道とした。伊勢湾を陸路で迂回すると,木曾川,長良川,揖斐川の木曾三川があるためである。熱田宿築地町と桑名宿東船馬町にそれぞれ船会所があって渡船数十艘を常備するほか,潮流の関係で海辺が干潟になった場合に備えて小渡船も用意していた。七里渡は通常4時間程度の船旅であるが,風雨等で海難事故も多く発生している。そこで長区間の船路を避けるため,熱田から佐屋路経由で佐屋宿まで約6里の陸路を通り,そこから船で佐屋川,木曾川を下って桑名に至る〈三里渡〉も発達した。このほか,近世中期以降になると熱田から直接伊勢国四日市を結ぶ〈十里渡〉や,三河国吉田から伊勢国大湊を結ぶ航路も利用されるようになった。
執筆者:渡辺 和敏
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