雅楽の舞楽・管絃の曲名。唐楽の平調(ひようぢよう)。四人舞で文(ぶん)ノ舞(平舞)。《煬帝(ようだい)万歳楽》ともいう。番舞(つがいまい)は《延喜楽(えんぎらく)》。左方襲(さほうかさね)装束(常装束)の袍を片肩袒(かたかたぬぎ)にし,鳥甲(とりかぶと)をかぶって舞う。唐では賢王が世を治めるとき鳳凰が飛んできて〈賢王万歳〉と唱えると伝えるが,それを舞にしたといい,隋の煬帝,唐の則天武后,漢の武帝などの作とされる。日本への伝来は不明。めでたい曲とされ,即位式などに用いられてきた。現在もよく舞われ,左方の文ノ舞の代表的な曲である。演奏次第は,〈平調調子・品玄(ぼんげん)〉(舞人登場)-〈当曲(当曲舞)〉-〈調子・臨調子(あがぢよう)〉(退場)。管絃曲として当曲が奏されることもある。
執筆者:加納 マリ
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
雅楽の曲名。唐楽曲で、左方平舞(ひらまい)の代表的舞楽。平調(ひょうじょう)、四人舞。襲(かさね)装束で右肩を脱いで舞う。隋(ずい)の煬帝(ようだい)の勅による作とも、唐のある賢帝の治世に鳳凰(ほうおう)が「賢王万歳」と鳴いたのを模したとも、また、唐の則天武后の飼っていたオウムの鳴き声を曲にしたともいう。もと童舞(どうぶ)であったらしく、醍醐(だいご)天皇が7歳の雅明親王の舞姿を褒めたたえたという記録もある。「平調調子」「当曲」「入調(にゅうじょう)」の3章からなる。当曲は元来五帖(じょう)あったというが、その半分を示す半帖までしか残らないため、「志止禰(しとね)拍子」という特殊な太鼓の打ち方をもって終わる。壮麗でゆったりした曲調は武の舞『太平楽(たいへいらく)』と並ぶ名品で、即位式など慶事に用いる。番舞(つがいまい)は『延喜楽(えんぎらく)』。
[橋本曜子]
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