青森市三内丸山にある約5500年~4千年前の縄文時代の大規模集落跡。長期間にわたって定住生活が営まれたとみられ、1992年からの調査で、大型建物の跡と考えられる直径約1メートルの木の柱や大規模な竪穴住居跡、大量の縄文土器や石器、土偶などが見つかった。2000年11月に国の特別史跡に指定された。
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昭和二七年(一九五二)から数回にわたり、地区を異にして発掘調査が行われ、多量の遺物が発見された。出土遺物は旧石器時代の石刃をはじめ、縄文早期末の早稲田第五群、前期および中期の円筒土器各型式・後期初葉土器のほか、青竜刀形石器を含む各種の石器や土偶などである。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
青森県青森市、JR青森駅の南西3キロメートルにある小高い台地上の縄文時代集落遺跡。北西に陸奥(むつ)湾、南には八甲田(はっこうだ)山が望める。1992年(平成4)、県営野球場建設に先だつ発掘調査で遺跡の重要性が判明、保存が決定した。遺跡はその範囲が35ヘクタールという大規模なもの。集落の各施設-住居・墓・倉・残滓(ざんし)廃棄場が定められた地に、長期間整然と用益されている実態が明瞭(めいりょう)となった。発掘資料から推察すると、集落の存続期間は縄文時代前期の末から中期末まで1500年間にも及ぶ、まれにみる長期間であったことが判明し、加えて発見された土器などの量はリンゴ用段ボール箱で約4万箱、既調査地面積は5ヘクタール、全掘すればリンゴ用段ボール箱約25万箱と、膨大な量の資料が発掘されると予測される。しかも、質高く・多種多様・話題にこと欠かぬ豊富さである。遺跡規模・遺跡存続期間・遺跡包蔵物量ともに他の諸遺跡を圧倒・凌駕(りょうが)する大遺跡であると評価されるに至った。三内丸山遺跡のもつ個々の情報-計画的な集落設計、道路と墓列、大規模な造成、埋葬と墓地、祭祀(さいし)や供養、栗栽培、巨大木柱、朱漆やアスファルトなどが刻々と報道され、「縄文都市」という冠辞が三内丸山遺跡に与えられるに至った。現在、本遺跡をめぐっては考古学、文化人類学をはじめ諸学の援助を受け生態系、環境系、食料栽培など広汎(こうはん)な分析が進捗(しんちょく)しており、まさに「縄文学最前線」の観がある。三内丸山遺跡を熟視することで「都市」の概念を与えることの可否・長期間の連続性・膨大とされる遺物量の解釈がいっそう深められ、初めて本遺跡の価値は定着するであろう。1997年国の史跡に、2000年(平成12)特別史跡に指定。
[水野正好]
2021年(令和3)、三内丸山遺跡はユネスコ(国連教育科学文化機関)により「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産として世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。
[編集部 2022年1月21日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
青森市の中央部を流れて青森湾に注ぐ沖館川の右岸台地上に営まれた,縄文時代前期中ごろから中期末までを中心とした大規模な集落跡。1992年から県運動公園の整備に伴う大規模な事前発掘が実施され,94年7月になって重要性が認識され,遺跡の保存が決定した。2000年に特別史跡に指定された。
東北北部から北海道南部に発達した縄文時代前・中期の文化の内容と変遷を良好に示す。大規模な土木工事を伴う集落の造成,大型の掘立柱建物,計画的に配置された集落構成,クリの栽培など植物利用が主体の安定した経済と長期にわたる定住,木製・骨角器を含めた道具の全体像,遠隔地との交流の実態など,近年急速に解明の進んでいた縄文文化の実像を大規模な発掘によって総合的かつ具体的に示した。
執筆者:編集部
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(天野幸弘 朝日新聞記者 / 今井邦彦 朝日新聞記者 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
青森市の西部丘陵上にある複合遺跡。縄文時代と平安時代の集落跡,中世の城館跡などが検出された。とくに縄文時代では,前期中葉~中期末葉の竪穴住居跡約500軒,大型住居跡約20棟,巨大な木柱を使用した大型の掘立柱建物跡,廃棄物を集中的に捨てていたブロック3カ所,成人用の土壙墓(どこうぼ),子供用と考えられる埋設土器,粘土採掘壙など,集落の具体的なようすを解明しうる遺構が検出された。国特別史跡。出土品のうち1958点は重文。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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