三柏(読み)みつがしわ

精選版 日本国語大辞典 「三柏」の意味・読み・例文・類語

みつ‐がしわ ‥がしは【三柏】

〘名〙
① (「みずがしわ」とも) リンドウ科多年草。北海道、本州、九州の池や川のほとりに生える。高さ約三〇センチメートル。葉は根生し葉柄の基部は鞘となり、葉身は三個の小葉からなる。各小葉は楕円形または長楕円形で縁は波状。初夏花茎を出し、先端の密な穂状花序に先の五裂した白い漏斗状花をつける。葉は苦味があり健胃薬にされる。漢名、睡菜。みずはんげ。〔地錦抄附録(1733)〕
浄瑠璃・妹背山婦女庭訓(1771)三「善か悪かを三つ柏、水に沈めば願ひ叶はず浮むときは願ひ成就」
紋所の名。三枚の柏の葉を柄を中にして三方に広がった形に図案化したもの。
※奥州葛西実記(1593)「目出度しとて家の紋にせなり、葛西の三つ柏の紋是れ也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「三柏」の意味・読み・例文・類語

みつ‐がしわ〔‐がしは〕【三×柏/三×槲】

ミツガシワ科多年生水草山地湿原自生。太い根茎が横にはい、葉は3枚の小葉からなる複葉で厚く、柄が長い。夏、葉の間から約30センチの花茎を伸ばし、白い花を総状につける。花びらは五つに裂けていて内側に毛がある。葉は苦く、健胃薬に用いる。
紋所の名。3枚のカシワの葉を葉柄を中に三方に並べたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「三柏」の解説

三柏
(通称)
みつがしわ

歌舞伎・浄瑠璃の外題
元の外題
金三柏
初演
享保4.11(大坂・金子吉左衛門座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「三柏」の解説

三柏 (ミツガシワ)

学名Menyanthes trifoliata
植物。ミツガシワ科の抽水性多年草,高山植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android