(読み)かしわ

精選版 日本国語大辞典 「柏」の意味・読み・例文・類語

かしわ かしは【柏】

千葉県北西部、利根川右岸の地名。水戸街道の旧宿場町。現在はJR常磐線、東武野田線が通じ、東京住宅衛星都市として発達。昭和二九年(一九五四)九月、東葛市として市制、同年一一月、柏市に名称変更。

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デジタル大辞泉 「柏」の意味・読み・例文・類語

はく【柏】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ハク(漢) ヒャク(呉) [訓]かしわ
〈ハク〉木の名。コノテガシワ。「松柏側柏扁柏へんぱく
〈かしわ(がしわ)〉木の名。「柏木柏餅かしわもち赤芽柏
[補説]「栢」は異体字
[難読]柏手かしわで柏槙びゃくしん

かしわ〔かしは〕【×柏/×槲/×檞】

ブナ科の落葉高木。葉は短い柄をもち互生し、倒卵形で厚く、縁に波形の鋸歯きょしがある。秋に落葉せず、枯れたまま越年する。4、5月ごろ、新葉とともに雌花と雄花とをつける。実はどんぐりで、多数の鱗片りんぺんからなる殻をもつ。若葉はかしわもちに用いられる。かしわぎ。もちがしわ。
紋所の名。カシワの葉をかたどったもの。三つ柏・抱き柏・結び柏など種類が多い。
《カシワの葉に盛ったところから》上代、飲食物を盛るのに用いた木の葉。
「髪長比売に大御酒おほみきの―をとらしめて」〈・中〉

かしわ【柏】[地名]

千葉県北西部の市。昭和29年(1954)柏町が周辺町村と合併して東葛とうかつ市となったが、2か月後に改称。平成17年(2005)沼南町を編入。人口40.4万(2010)。

ひゃく【柏】[漢字項目]

はく

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改訂新版 世界大百科事典 「柏」の意味・わかりやすい解説

柏[市] (かしわ)

千葉県北西部の市。2005年3月旧柏市が沼南(しようなん)町を編入して成立した。人口40万4012(2010)。

柏市西部の旧市。両総台地の北西端を占め,北部を利根川が流れる。1954年柏町,小金町,土村,田中村が合体し東葛(とうかつ)市として市制を施行したが,同年旧小金町の大部分が松戸市に編入されたため柏市と改称。人口32万7851(2000)。中世の豪族が居城した増尾城,戸張城などがあり,中心地の柏は近世,水戸街道の宿場町で,3・8の日の六斎市が開かれていた。また利根川と江戸川を結ぶ運河に戸張,布施などの河岸があった。周辺の台地は江戸幕府の馬牧である小金五牧の高田・上野両牧で,明治初期に下総開墾会社によって開発され,十余二(とよふた),豊四季の開拓村が成立して畑作地となった。1949年の常磐線の電化や首都外郭環状線(国道16号線)の建設によって人口が急増し,住宅団地や工業団地が続々と開発された。常磐自動車道のインターチェンジがある。柏駅前に二つの大型百貨店が進出して駅前商店街が急速に発展し,商圏は県北西部,茨城県南西部まで拡大したが,水戸街道沿いの古くからの商店街は衰えた。野田市との境に利根運河が,布施に布施弁天(紅竜山東海寺)がある。東武野田線,つくばエクスプレスが通じる。
執筆者:

柏市東部の旧町。旧東葛飾郡所属。人口4万5927(2000)。手賀沼南岸に位置し,町域は手賀沼沿岸の低地と下総台地からなる。米作や野菜栽培を中心とした純農村であったが,1960年代末に国道16号線が整備され,沿線に工業団地や住宅団地がつくられた。住宅団地への入居が始まった70年代後半から人口が増加している。南西部を東武野田線が走るが,交通は旧柏市,松戸市へ通じるバス交通が主である。東京区部や周辺各市への通勤者がふえている。南に接する鎌ヶ谷市にかけて海上自衛隊下総航空基地がある。
執筆者:

柏(青森) (かしわ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「柏」の意味・わかりやすい解説


かしわ

青森県西部、西津軽郡(にしつがるぐん)、津軽平野のほぼ中央にあった旧村名(柏村(むら))。現在はつがる市の南東部に位置する地域。国道101号が通じる。1662年(寛文2)弘前(ひろさき)藩4代藩主津軽信政(のぶまさ)によって開拓された新田で、藩の直営工事として約40年かけて完成した。かつては広須村と称したが、1889年(明治22)村制施行の際、広須村のシンボルとされていたカシワの木にちなみ柏村と改称した。2005年(平成17)、西津軽郡木造(きづくり)町、森田(もりた)村、稲垣(いながき)村、車力(しゃりき)村と合併して市制施行、つがる市となった。米とリンゴが主産で、1878年に古坂乙吉が植栽した日本最古といわれるリンゴの古木3本が残っている。長寿リンゴといわれ、「紅絞(べにしぼり)」2本、「祝(いわい)」1本で、幹の周囲2~3メートルに及び、県の天然記念物。

[横山 弘]

『小野昇之進著『柏村郷土史』(1964)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「柏」の意味・わかりやすい解説


かしわ

青森県西部,つがる市南東部の旧村域。津軽平野中央部の岩木川左岸にある。 2005年木造町,森田村,稲垣村,車力村と合体してつがる市となった。弘前藩新田開発はこの地域から着手された。主産業は農業で,米作やリンゴ栽培が中心である。樹齢 100年をこす日本最古のリンゴの木がある。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「柏」の解説

柏 (カシワ・ハク)

学名:Quercus dentata
植物。ブナ科の落葉高木,園芸植物,薬用植物

柏 (カシワ)

植物。トウダイグサ科の落葉高木,園芸植物,薬用植物。アカメガシワの別称

柏 (カシワ)

植物。モクレン科の落葉高木,園芸植物,薬用植物。ホオノキの別称

柏 (カエ)

植物。児手柏・檜などの常緑針葉樹の総称,または榧の古名

柏 (ハク・カエ)

植物。ヒノキ科の常緑針葉高木,園芸植物。サワラの別称

柏 (ビャク)

植物。ヒノキ科の常緑針葉高木。イブキの別称

柏 (ハク)

植物。常緑針葉樹で針葉の短いもの

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【墓】より

…これは,盗掘者の手から守るためにまわりの森林と同化し墓をカムフラージュするためと,木への信仰に起因するものと考えられる。木は梓(しん),松(しよう),柏(はく)がとくに好まれたが,これらは古代から棺材としても選ばれた木々である。それらが霊のすみかである墓に植えられたのは,死骸の腐敗を防ぎ,その復活を促し,魂をつねにその霊のもとにつなぎとめる働きをもっていると信じられたからである。…

※「柏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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