翻訳|triple jump
陸上競技の跳躍種目の一つ。助走ののち踏切板で第1歩を踏み切り(ホップ)、同じ足で着地、この足でそのまま次の跳躍(ステップ)に移り、反対の足で着地。この着地した足で最後の跳躍(ジャンプ)をする。このため、かつてはこの種目を英語名で「hop step jump」といったこともあった。第1歩は左右どちらの足で踏み切ってもよい。ホップとステップで振り出し足が地面に触れても無効試技とはならない。
跳躍種目のなかでは走幅跳び同様「水平」の距離を競う競技で、踏切板のもっとも砂場に近い端(踏切線)から、競技者が砂場に残した跡(体のどの部分であろうと、それが砂場に残した踏切線にもっとも近い痕跡(こんせき))までを踏切線に直角に測る。追い風2メートルを超えた場合には記録は公認されないが、順位に影響はない。8人を超える競技者が参加した場合、最初の3回の跳躍でベスト8を選び出し、その成績の低い順にさらに3回跳躍を行い、合計6回を通じての最高記録が順位の対象となる。6回を終わってもベストが同記録の場合は、当該者同士の2番目の記録、3番目の記録といったぐあいに比べ合い、その記録のよいほうを上位とする。それでも同じ場合は同順位とする。参加者が多数のときは予選を行う。距離は1センチメートル単位で記録し、端数は切り捨てる。
オリンピックでは、男子は1896年のアテネ大会から、女子は1996年のアトランタ大会から正式種目となった。この種目は、第二次世界大戦前は日本が非常に強く、オリンピックでも1928年(昭和3)アムステルダム大会で織田幹雄、1932年ロサンゼルス大会で南部忠平(なんぶちゅうへい)、1936年ベルリン大会で16メートル00センチの世界記録(当時)をつくった田島直人(たじまなおと)(1912―1990)と3連勝を果たし、「日本のお家芸」ともいわれた。しかし、第二次世界大戦後は外国選手が強く、世界記録(2022年1月時点)はジョナサン・エドワーズJonathan Edwards(イギリス。1966― )が1995年に18メートル29センチを、女子は2021年開催の東京大会で、ユリマル・ロハスYulimar Rojas(ベネズエラ。1995― )が15メートル67センチを記録している。
[加藤博夫・中西利夫 2022年2月18日]
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…また72年のミュンヘン大会では落下地点にプリズム反射鏡を置き,スタンドから望遠鏡つきの計測器で三角測量形式にコンピューターで距離を測るなどの新技術が開発された。走幅跳び,三段跳びでも砂場の横に平行に測定器を置き,ただのぞくだけで距離が測定できる。このような技術や用具の進歩とともに,欧米を中心に冬季にも室内競技会が可能となり,競技者は年間を通じて競技を行うようになっている。…
※「三段跳び」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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