三百代言(読み)サンビャクダイゲン

デジタル大辞泉 「三百代言」の意味・読み・例文・類語

さんびゃく‐だいげん【三百代言】

代言人資格がなくて他人訴訟談判などを扱った者。もぐりの代言人。また、弁護士をののしっていう語。
相手を巧みに言いくるめる弁舌詭弁きべん。また、それを用いる者。
[類語]弁護士

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精選版 日本国語大辞典 「三百代言」の意味・読み・例文・類語

さんびゃく‐だいげん【三百代言】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「三百」は低級の意 ) 明治初期、代言人(弁護士)の資格をもたないで、他人の訴訟や談判などを取り扱った者。もぐりの代言人。また、弁護士をののしっていう語。三百。
    1. [初出の実例]「世俗に三百代言と称し、治安裁判所などへ出入して詞訟の事を取扱ふ者を其筋にて取調べ中の由なるが」(出典:郵便報知新聞‐明治一六年(1883)九月一日)

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四字熟語を知る辞典 「三百代言」の解説

三百代言

相手を巧みに言いくるめる弁舌。またそれを用いる者。また、弁護士をののしっていう語。

[使用例] しかし、手まわしよく鳴門市会から資料をとりよせ、三百代言をまねいて、すでに村会側は、裁判沙汰を見こして準備しはじめていたのだ[高橋和巳*散華|1967]

[使用例] 弁護士にもピンからキリまであり、花井卓蔵のような伝説的人物が、やたらにいるはずはない。三百代言に毛の生えたようなものから、暴力団顧問もいるし、その生態もさまざまである[大岡昇平*事件|1977]

[解説] 「三百」は低級という意味合い。明治初期、代言人(弁護士)の資格をもたないで、他人の訴訟や談判などを取り扱った者をののしったことばから。

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百科事典マイペディア 「三百代言」の意味・わかりやすい解説

三百代言【さんびゃくだいげん】

明治前期,代言人(弁護士の旧称)の資格なしに他人間争いに関与し,訴訟や談判の引受けを業とした者の蔑称(べっしょう)。三百とも。三百は300文の略で,わずかな金額の意。また,詭弁(きべん)を弄して他人を言いくるめること(人)についてもいう。

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