三蔵法師(読み)サンゾウホウシ(その他表記)Sān zàng fǎ shī

デジタル大辞泉 「三蔵法師」の意味・読み・例文・類語

さんぞう‐ほうし〔サンザウホフシ〕【三蔵法師】

経・律・論の三蔵に精通した高僧
唐の玄奘げんじょうの俗称。さんぞうほっし。

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精選版 日本国語大辞典 「三蔵法師」の意味・読み・例文・類語

さんぞう‐ほうしサンザウホフシ【三蔵法師】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 仏語。経蔵律蔵・論蔵の三蔵に精通した高僧。
      1. [初出の実例]「三蔵法師のたやすく見及すべきにあらず」(出典:正法眼蔵(1231‐53)佗心通)
    2. 仏典翻訳に従事したすぐれた僧の呼称。特に、唐の玄奘(げんじょう)を指す場合がある。
      1. [初出の実例]「三蔵法師(さんざうほふし)・不空を以て惣講師と為り」(出典今昔物語集(1120頃か)七)
  2. [ 2 ] 能楽大般若(だいはんにゃ)」の別名

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改訂新版 世界大百科事典 「三蔵法師」の意味・わかりやすい解説

三蔵法師 (さんぞうほうし)
Sān zàng fǎ shī

〈さんぞうほっし〉ともよむ。仏教聖典の経蔵・律蔵・論蔵のそれぞれに精通した人を,経師・律師・論師といい,三蔵のすべてに通暁した人を三蔵比丘・三蔵聖師といったが,とくに有名なのが三蔵法師の呼称であり,ときには略して単に三蔵と呼ぶこともある。一蔵に精通することでさえ難事であるだけに,三蔵に通暁する法師というのは,きわめて尊敬をこめた意味であった。とくに中国では,インド西域から仏典をもたらし,漢訳に従事した人々を尊称して訳経三蔵あるいは三蔵法師と呼ぶことが多い。クマーラジーバ鳩摩羅什)や真諦などもそう呼ばれたが,最も有名なのは玄奘(げんじよう)である。とくに《大唐三蔵取経詩話》をはじめ明代の長編白話小説である呉承恩の《西遊記》が世に出てからは,三蔵法師といえば,弟子の孫悟空・猪八戒・沙悟浄をひきつれて天竺への苦難の旅をつづけた求法僧,玄奘を指すことが多い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三蔵法師」の意味・わかりやすい解説

三蔵法師
さんぞうほうし

三蔵(経(きょう)蔵、律(りつ)蔵、論(ろん)蔵)を伝訳した僧。インド、西域(せいいき)の仏典を将来し、これを翻訳した人を訳経三蔵というが、これも三蔵法師の別称とみてよい。古来、三蔵法師といえば玄奘(げんじょう)三蔵の代名詞のごとく使われるのは、玄奘こそ中国最大の翻訳僧であるからにほかならない。

[岡部和雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三蔵法師」の意味・わかりやすい解説

三蔵法師
さんぞうほっし

経,律,論の三蔵に通達している高僧の意。中国では仏典の翻訳に従事する僧侶が朝廷から選ばれて三蔵法師の称を与えられたが,玄奘はそのなかでも著名なので,後代は三蔵法師といえば玄奘のことをさすようになった。

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旺文社世界史事典 三訂版 「三蔵法師」の解説

三蔵法師
さんぞうほうし

玄奘 (げんじよう)

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世界大百科事典(旧版)内の三蔵法師の言及

【玄奘】より

…中国,唐代初期の僧。西域,インドへの求法僧で,一般には三蔵法師として知られる。俗姓は陳氏。…

※「三蔵法師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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