白布(読み)ハクフ

デジタル大辞泉 「白布」の意味・読み・例文・類語

はく‐ふ【白布】

白いぬの。しろぬの。

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精選版 日本国語大辞典 「白布」の意味・読み・例文・類語

はく‐ふ【白布】

〘名〙 白いぬの。しろぬの。
※延慶本平家(1309‐10)一本「尋常なる白布五十端」 〔魏志‐夫余伝〕

しろ‐ぬの【白布】

〘名〙 白色の布。さらした布。しらぬの。
延喜式(927)五「白布端帖七枚」

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改訂新版 世界大百科事典 「白布」の意味・わかりやすい解説

白布 (しろぬの)

古代以来,青苧(あおそ)等の麻苧を原料としてつくられた衣料。すでに律令制時代に貢納自給のため全国的に生産されていた。平安末期から鎌倉時代には,残存史料によると青苧生産地の甲斐(小井河荘),常陸(村田荘),上野(土井荘),備前(長田荘),豊前(糸田荘),薩摩入来院)等の諸荘園から公事物として白布が貢納されている。鎌倉末期以降になると青苧等麻布原料の商品化によって,それらが京都,奈良,天王寺等の都市麻織業者に供給されて,製品白布はこれらの都市の白布座・布座で売られるようになる。文明~文亀年間(1469-1504)には将軍足利義政の娘南御所を本所とする白布座が棚公事を納めていたが,南御所が住んでいた宝鏡寺は棚公事徴収代官の役割をつとめていた。京都における白布の取引はこの白布座だけでなく駕輿丁(かよちよう)や他の商人たちもかかわっており,営業税の公事納入をめぐって白布座と駕輿丁が激しく争っている。このほか宇治や奈良のさらしはしだいに有名になり,近江高宮産の白布も都の内外で評価をうるようになった。
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白布[温泉] (しらぶ)

山形県南端部,米沢市関地区にある温泉。吾妻連峰の北麓,標高約800mの大樽川渓谷に臨む。14世紀初頭に発見されたと伝えられる古くからの湯治場で,かつては白布高湯といわれ,信夫(福島市),最上(山形市。現,蔵王温泉)の高湯とともに,奥羽三高湯の一つに数えられていた。泉質は硫化水素泉,58~60℃。裏磐梯高原に通じる山岳観光道路〈西吾妻スカイバレー〉(2003年無料開放)の起点,吾妻連峰の登山口で,冬には上方にある天元台高原スキー場の宿泊基地となる。南東約1.5kmに新高湯温泉がある。
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普及版 字通 「白布」の読み・字形・画数・意味

【白布】はくふ

さらし。

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