精選版 日本国語大辞典 「上米」の意味・読み・例文・類語
うわ‐まい うは‥【上米】
あげ‐まい【上米】
じょう‐まい ジャウ‥【上米】
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江戸幕府が1722年(享保7)7月から財政難を切り抜けるため,諸大名に対して高1万石につき100石の割合で上納させた米。元禄以来,破綻をきたした幕府財政は,22年に至り旗本・御家人の切米・扶持米支給にも窮したので,享保改革の年貢増徴・新田開発の効果があがるまでの応急措置として上米が行われた。米は春秋2度に半分ずつ,大坂か江戸の米蔵に納入し,米で納められないときは張紙値段による金納とした。上米総額は年間18万7000石余で,この代償として参勤交代の江戸在府期間が半減され,外様・譜代の区別なく3月,9月交代とした。尾張家,紀伊家は2000石,水戸家は1000石,参勤交代をしない大名は規定の3分の1,幕府役職大名もわずかの上米を納めさせられた。上米は幕府への役儀として課せられ,御手伝普請は中絶した。全大名領を課税対象とした点で,幕藩関係における画期的な政策であったが,財政状態が回復した31年廃止され,参勤交代制も旧に復した。
執筆者:大野 瑞男
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江戸時代、財政窮乏を理由に、幕府が諸藩に、また藩主が家臣に対して課した献上米。享保(きょうほう)の改革の一施策として、1722年(享保7)8代将軍徳川吉宗(よしむね)が諸大名に課した例が有名である。これは1万石につき100石の上米を命じたものであったが、この制度の施行により幕府は年間18万7000石の上納米を得た。この額は当時の幕府収入の約1割3分にあたり、旗本、御家人(ごけにん)への給米の5割強を占めたといわれる。しかしこの制度が、参勤交代制の江戸在府期間の半減化(1年を半年に短縮)を伴ったものであったため、家康以来の祖法を変えると反対する意見も多かった。このため幕府財政がいちおう安定した1731年(享保16)に廃止され、参勤交代制も旧に復した。
[大石 学]
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