与論町(読み)よろんちよう

日本歴史地名大系 「与論町」の解説

与論町
よろんちよう

面積:二〇・四八平方キロ

奄美諸島の最南端にある与論島全域を町域とする。東シナ海と太平洋に囲まれ、沖永良部おきのえらぶ島まで約三一キロ、沖縄島まで約二八キロに位置する。隆起珊瑚礁によって形成された島で、最高所が一〇〇メートル未満の平坦な地勢であり、内陸部にはカルスト地形が発達している。県道の与論島循環線があり、定期バスが一周道路を南回りと北回りで運行している。奄美群島国定公園のうち。

町域の遺跡は、朝戸あさと遺物散布地(メーサフ、ネッツエ)立長りつちようハキビナ槌石出土地点・麦屋むぎや遺物散布地(ヤドンジョウ)古里ふるさと遺跡・ぐすく遺跡・茶花ちやはな遺跡などが知られる。与論島の最初の考古学調査は昭和二九年(一九五四)に行われ、同三二年の九学会連合による調査で朝戸・麦屋・立長ハキビナ海岸の三遺跡が確認され、朝戸遺跡からは磨製石斧・打製石斧・類須恵器片などが発見されている。その後の調査でフェンサ下層式土器・南宋白磁などが出土し、ヤドンジョウ遺跡では沈線文土器・喜念I式土器・宇宿上層式土器・擦痕文土器がみられた。縄文時代から中世に至る時期の遺跡は一九ヵ所あり、その大部分が島の南側、沖縄本島に近い位置に立地している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「与論町」の意味・わかりやすい解説

与論〔町〕
よろん

鹿児島県南部,奄美群島最南端の与論島全島を占める町。1963年町制。サトウキビ栽培が圧倒的に多く,製糖工場がある。ほかにカボチャ,インゲン,花卉類の栽培,肉牛飼育などが行なわれる。1960年代後半から急激に観光客が増加した。島の北東部を取り巻く堡礁礁湖なか生物相の多彩さは奄美群島随一で,奄美群島国立公園に属する。茶花港の近くに与論空港があり,鹿児島,奄美,沖縄などと空の便で結ばれる。面積 20.58km2人口 5115(2020)。

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