与那覇岳(読み)よなはだけ

日本歴史地名大系 「与那覇岳」の解説

与那覇岳
よなはだけ

沖縄島北部国頭奥間おくま集落の東方およそ四・五キロに位置する標高五〇三メートルの山。ユナハダキともいう。沖縄島最高峰で、県内では石垣島の於茂登うむとう(五二五・八メートル)に次ぐ高さである。浸食による谷の発達が不十分で、頂上付近はなだらかな斜面となっている。地質は古第三紀から中生代の片岩・千枚岩・砂岩などからなる名護層である。西方奥間おくま川・比地ひじ川が、東方へとこ川が流れ出ている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「与那覇岳」の意味・わかりやすい解説

与那覇岳
よなはだけ

沖縄本島北部、国頭村(くにがみそん)にある沖縄本島の最高峰。標高503メートル。中生代の名護(なご)層の千枚岩からなる穏やかな山容(従順山地)をなし、亜熱帯自然林に覆われている。国指定の特別天然記念物ノグチゲラ県鳥)や天然記念物のヤンバルクイナなどの貴重な鳥類が生息し、一帯は国指定の天然保護区域とともにやんばる国立公園に指定されている。国頭村の奥間(おくま)から山頂近くまで道路がある。

[目崎茂和 2019年5月21日]


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改訂新版 世界大百科事典 「与那覇岳」の意味・わかりやすい解説

与那覇岳 (よなはだけ)

沖縄県沖縄島(本島)北部の国頭(くにがみ)郡国頭村にある島内最高峰の山。標高503m。北東部の西銘(にしめ)岳(420m)や南方の伊湯岳(446m)とともに,中生代の名護層からなり,沖縄島北部の脊梁山地の主峰をなす。これらの山地から安波(あは)川,新川あらかわ)川,福地川などが流れ出している。この地域の原生林にはノグチゲラ(特天)やヤンバルクイナ(天)が生息しており,国指定の天然保護区域となっている。
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世界大百科事典(旧版)内の与那覇岳の言及

【国頭[村]】より

…人口6015(1995)。沖縄島最高峰の与那覇岳(498m)をはじめ大小の山が脊梁山地を形成し,これらの山が東は太平洋岸,西は東シナ海岸に迫る。山地を開析した川の河口付近に村落が立地する。…

※「与那覇岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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