国頭村(読み)くにがみそん

日本歴史地名大系 「国頭村」の解説

国頭村
くにがみそん

面積:一九四・八〇平方キロ

沖縄島最北端に位置する国頭郡の村。東から北は太平洋、西は東シナ海に臨み、南は大宜味おおぎみ村・ひがし村に接する。中央部を南北に走る国頭山地には、北から西銘にしめ(四二〇メートル)照首てるくび(三九五・二メートル)与那覇よなは(五〇三メートル、沖縄島最高峰)などが並ぶ。このため村域の大部分山林原野で集落や耕地は海岸線に沿って点在している。山間部に発する安波あは川・普久川ふんがー辺野喜べのき川などにはダムが建設されており、沖縄島の水瓶としての役割を果している。大宜味村から東シナ海沿いを国道五八号が村内のおくまで達し、奥からは主要地方道国頭―東線が太平洋側を南下し、東村とを結んでいる。東シナ海側の海岸線は、最北端の辺戸へど岬まで沖縄海岸国定公園に指定されている。


国頭村
くんぜーむら

[現在地名]和泊国頭くにがみ

沖永良部おきのえらぶ島の北東端、喜美留ちびる村の北に位置する。地名はクニガミが転訛したもの。北海岸の海食崖から吹上げられる風波によって塩害が起こる地帯で、古くから飲料水はクラゴーといわれる地下の鍾乳洞の湧水に依存していた。中世に世之主の家来のクンゼーヤタロウといわれた豪族がいたという伝承がある。正保琉球国絵図に村名の記載はないが、「国頭くにかみ崎」と、東部の丘陵地に「おかミ山」、平地に溜池が記されている。初め久志検ぐしきぬ間切、安政四年(一八五七)から和泊わどまい方に属した。「李朝実録」正祖一四年(一七九〇)七月条に「国頭村」とあり、当村の高甫が他村の四人とともに朝鮮に漂着したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国頭村」の意味・わかりやすい解説

国頭〔村〕
くにがみ

沖縄県沖縄島最北端の村。村名は琉球王国(→琉球)で用いられた行政区画,間切(まぎり)の名に由来する。沖縄島最高峰の与那覇岳(503m)をはじめ,西銘岳,照首岳,伊湯岳など 400m前後の山々が連なる。中心地区は西海岸の辺土名。耕地は少なく,段々畑が海に迫る山腹分布。養豚,サトウキビ花卉の栽培などが行なわれる。1964年に陸の孤島といわれた東海岸に道路が開通し,全島一周道路が完成。比地大滝,沖縄島最北端の辺戸岬奥間ビーチ,謝敷(しゃしき)のサンゴ礁海岸などの景勝地がある。与那覇岳頂上付近は国の天然保護区域に指定され,世界的な珍鳥ノグチゲラ(国の特別天然記念物),ヤンバルクイナ(国の天然記念物)が生息する。ほかに国の天然記念物「安波のタナガーグムイの植物群落」,国指定史跡宇佐浜遺跡,国の重要無形民俗文化財に安田のシヌグがある。村域の多くがやんばる国立公園に,西海岸が沖縄海岸国定公園に属する。国道58号線が通る。面積 194.80km2。人口 4517(2020)。

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