世田谷区(読み)セタガヤク

デジタル大辞泉 「世田谷区」の意味・読み・例文・類語

せたがや‐く【世田谷区】

世田谷

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「世田谷区」の解説

世田谷区
せたがやく

面積:五八・〇八平方キロ

東京都二三区の南西部に位置し、武蔵野台地と南東流する多摩川沿いの沖積平野にまたがる。東は目黒区・渋谷区、北は杉並区・三鷹市、西は調布市と狛江こまえ市に接し、南は大田区と多摩川を挟んで神奈川県川崎市に接する。京王線が北部をほぼ東西に、小田急線と東急田園都市線が北東から南西方向に区内を通過する。東急世田谷線はこの三線を連絡し、区の中心部を通る。このほか北東部を京王井の頭線、南部を東急大井町線・同目黒線・同東横線が通る。主要道路は南北に縦断する環状七号と八号、京王線の北を走る国道二〇号(甲州街道)、東急田園都市線にほぼ沿って走る国道二四六号(玉川通)・首都高速三号渋谷線(東京インターチェンジからは東名高速道路)、二四六号から三軒茶屋さんげんぢややで分岐し西走する世田谷通などがある。

〔原始・古代〕

世田谷区域の原始・古代の遺跡は二三区最多の三〇〇ヵ所以上に上り、多摩川に面した国分寺崖線沿いに集中している。旧石器時代の遺跡は約三万年前に始まり、瀬田せた下山しもやま遺跡・瀬田遺跡成城せいじよう嘉留多かるた遺跡などで区内最古の集落が営まれている。縄文時代には多摩川に注ぐ小河川沿いの内陸部にも集落が形成された。代表的な遺跡は国分寺崖線上にある奥沢おくさわ諏訪山すわやま遺跡・奥沢台おくさわだい遺跡、下野毛しものげ遺跡、岡本おかもと堂ヶ谷戸どうがやと遺跡、成城の砧中学校きぬたちゆうがつこう遺跡・上神明かみのしんめい遺跡など、内陸部では上祖師谷の釣鐘池北かみそしがやのつりがねいけきた遺跡、下馬の蛇崩しもうまのじやくずれ遺跡、野沢の明治薬科大のざわのめいじやつかだい遺跡などがある。弥生時代には下山遺跡、代田の円乗院だいたのえんじよういん遺跡、瀬田の鎌ヶ谷かまがや遺跡、堂ヶ谷戸遺跡などに集落が営まれた。古墳時代には首長が出現し、四世紀末以降多摩川沿いの台地には南武蔵の首長墓系列の野毛大塚のげおおつか古墳などに代表される野毛古墳群と、砧中学校七号墳や喜多見稲荷塚きたみいなりづか古墳などからなる砧古墳群が造営された。律令制下では荏原えばら郡と多摩郡に属し、「和名抄」所載の多磨たま勢多せた郷が区域内に比定され、瀬田は同郷の遺称地とされる。また同書所載の荏原郡覚志かかし郷を当区内に比定する説がある。

〔中世〕

区域には庄園の痕跡は認められない。郷村の多くは川やせん川、目黒川などの流域にあり、氾濫の度重なる暴れ川多摩川流域では河岸段丘上に郷村が開かれている。区域東部の世田谷郷や西部の木田見きたみ郷は鎌倉時代から開発が進み、熊谷氏や吉良氏の所領として室町時代に至った。吉良氏は足利氏の一門で三河国吉良きら(現愛知県吉良町)を名字の地とする。

世田谷吉良氏の祖は吉良治家で、鎌倉公方足利基氏から世田谷郷を宛行われて入部したと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世田谷区」の意味・わかりやすい解説

世田谷〔区〕
せたがや

東京都 23特別区の一つ。1932年区制,1947年特別区制。西は三鷹市調布市狛江市の 3市に接し,南部は多摩川を隔てて神奈川県川崎市が位置する。武蔵野台地の一部にあたる。明治中期以降,軍関係の諸施設や練兵場が建設され,関東大震災後は私鉄資本による宅地開発が進んだ。第2次世界大戦後,駒沢一帯の軍施設跡は学校,病院に転用されたり,私鉄企業の誘致も重なって,急激に宅地化した。新宿渋谷に直結する京王電鉄小田急電鉄東京急行電鉄が縦横に走り,沿線地域は住宅地として発展。駒沢オリンピック公園,馬事公苑,砧公園などの緑地,成城大学駒澤大学などの教育施設や,世田谷美術館,国宝を有する五島美術館などの文化施設も多く,文教・住宅地区となっている。区域南東部の等々力渓谷は都内でも珍しい自然が残り,区立公園に指定。付近の満願寺には史跡の細井広沢の墓がある。首都高速3号渋谷線が用賀で東名高速道路と接続する。玉川インターチェンジは第三京浜道路(→京浜道路)の起点。国道20号線,246号線が通る。面積 58.05km2。人口 94万3664(2020)。

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