日本大百科全書(ニッポニカ) 「中主」の意味・わかりやすい解説
中主
ちゅうず
滋賀県中南部、野洲郡(やすぐん)にあった旧町名(中主町(ちょう))。現在は野洲市の北西部を占める一地区。1955年(昭和30)中里、兵主(ひょうず)の2村が合併して町制施行。1957年中洲(なかす)村の一部を編入。2004年(平成16)野洲町と合併、市制を施行して野洲市となる。旧町域は、琵琶(びわ)湖南東岸、日野川と野洲川に挟まれた三角州上に位置し、国道477号が通じる。典型的な水田農業地域であるが、シュンギクなどの野菜や花卉(かき)の栽培が盛んで、工場の進出もみられる。『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』服部(はとり)郷の地で、『延喜式(えんぎしき)』所収の兵主神社の庭園は国指定名勝。同神社の白絹包腹巻(しろきぬつつみはらまき)、蓮乗寺の木造毘沙門天立像などが国の重要文化財に指定されている。木部(きべ)の錦織(きんしょく)寺は真宗木辺(きべ)派の本山。菖蒲浜(あやめのはま)は「琵琶湖のマイアミ」とよばれる水泳場。
[高橋誠一]