精選版 日本国語大辞典 「中入」の意味・読み・例文・類語
なか‐いり【中入】
- 〘 名詞 〙
- ① 中へ入れること。内へ向けていれること。
- [初出の実例]「わざときぬのうしろのすそを、なかいりにぬふこともあり」(出典:満佐須計装束抄(1184)二)
- ② 敵味方が対陣中、一部の兵を分けて不意に敵を攻めること。
- [初出の実例]「敵国へ中入(ナカいり)して」(出典:信長記(1622)八)
- ③ 能楽で一曲が前後二場に分かれる場合、前場が終わってシテなどが楽屋または作り物の中へはいること。
- [初出の実例]「一 中入に、大夫、橋掛りを戻る時、囃子も謡も過ぎて、帰り悪(にく)きものなり」(出典:八帖花伝書(1573‐92)四)
- ④ 能、芝居、相撲、寄席などの興行物の中途でしばらく休憩すること。また、その休憩。
- [初出の実例]「ただいまくやまふぞ、中入はいる」(出典:虎明本狂言・老武者(室町末‐近世初))
- ⑤ 中途で休憩すること。
- [初出の実例]「中入に見まふ和尚や茸かり」(出典:俳諧・太祇句選(1772‐77)後篇・秋)
- ⑥ 京阪の歌舞伎で、二幕目の通称。