中土佐(町)(読み)なかとさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中土佐(町)」の意味・わかりやすい解説

中土佐(町)
なかとさ

高知県中央部、高岡郡の町。土佐湾に臨む。1957年(昭和32)久礼(くれ)、上ノ加江(かみのかえ)の2町が合併して成立。2006年(平成18)大野見村と合併して、新しい中土佐町となった。沿岸部はリアス海岸山地が海に迫り、平地に恵まれず林野率は90%に近い。久礼、上ノ加江、矢井賀などを中心に古来水産業が盛ん。かつてはカツオ釣り、ブリ定置網の中心地として知られたが、現在は沿岸漁業は衰退ぎみで、近海の一本釣りや延縄(はえなわ)漁業が中心。久礼は古来、須崎(すさき)方面から窪川(くぼかわ)台地への通路にあたり、焼坂(やけざか)、久礼坂の急坂で結ばれた。JR土讃(どさん)線、国道56号が通じ、高知自動車道の中土佐インターチェンジがある。狭小な耕地ではイチゴや小ナスなどの施設園芸なども盛ん。大野見地区では稲作ショウガ、イチゴ栽培や林業が行われている。旧暦8月14日の久礼八幡(はちまん)宮の御神穀祭(おみこくさん)は国指定選択無形民俗文化財。面積193.21平方キロメートル、人口6002(2020)。

[大脇保彦]

『『中土佐町史』(1986・中土佐町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android