百科事典マイペディア 「板倉氏」の意味・わかりやすい解説
板倉氏【いたくらうじ】
→関連項目福島藩
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江戸時代の譜代大名。下野国足利郡板倉におこり,のち三河国額田郡小美村に住し,松平氏に仕えたという。徳川家康に仕えた勝重は,駿府町奉行・江戸町奉行を経て,京都所司代となり,1609年(慶長14)には,山城で1万6600石を領した。勝重の子重宗も,勝重を継いで所司代となり,退任後の1656年(明暦2)下総国関宿で5万4000石を領した。その後板倉氏は,61年(寛文1)伊勢亀山,1710年(宝永7)志摩鳥羽,17年(享保2)に再び亀山,44年(延享1)備中松山へと転じ,廃藩を迎えた(松山藩(備中))。幕末には,老中・会計総裁となった勝静(かつきよ)が出た。板倉氏には支流3家がある。勝重の三男重昌を祖とする家は,所司代・老中を務めた重矩の子重種のとき,1683年(天和3)嗣子重寛と甥重宣とに分封されたことによって2家に分かれ,陸奥福島(福島藩),備中庭瀬で維新を迎えた。重宗の次男重形に始まる板倉氏は,1681年に上野国安中1万5000石に封じられ成立する。いずれも維新後は子爵。
執筆者:藤井 譲治
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江戸時代の譜代大名(ふだいだいみょう)家。足利泰氏(あしかがやすうじ)二男義顕(よしあきら)を祖とする渋川氏を家系としているが、系譜に断絶があるなどして、事実は疑わしい。深溝(ふこうず)松平氏に仕えた好重(よししげ)の子勝重は家康に召し出され、しだいに重用され、1601年(慶長6)に京都所司代とされた。その子重宗(しげむね)もまた父の跡を継ぎ1654年(承応3)までその任にあった。重宗には下総(しもうさ)(千葉県)関宿(せきやど)城が与えられた。その後、封地に変遷があり、備中(びっちゅう)松山(高梁(たかはし)藩)5万石に移った。幕末維新期に出た勝静(かつきよ)は老中として活躍し、戊辰戦争(ぼしんせんそう)では箱館(はこだて)まで転戦している。勝重の二男重昌(しげまさ)は島原の乱(1637~38)に上使として赴き戦死した。この家系も大名(三河重原(しげはら)藩)となっている。このほかにも一族に大名家(安中(あんなか)藩)、旗本家がある。
[林 亮勝]
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…この城は那須氏によって伝領支配されてきたが,1590年(天正18)豊臣秀吉による関東制圧のとき,城主那須資晴は追放され,以後,成田,松下,堀,板倉,那須,永井,稲垣と激しい城主交替を続けたが,1725年(享保10)大久保氏が2万石(のち3万石)で入封し廃藩置県に至った。そのなかで1672年(寛文12)に就封した板倉氏の治世期間は9ヵ年にすぎなかったが,給人地方知行制の廃止や寺院,町人屋敷を郭外に移す区画整理を断行した。大久保氏初代の常春は,8代将軍吉宗の信任厚く老中に抜擢(ばつてき)されたが,就封の翌年に藩庁に提出された差出帳によると,烏山町は6町からなり,その戸数合計は325軒,人口は2087人,馬数は98疋となっていた。…
…ついで鳥取城主池田長幸が1617年(元和3),6万5000石を領して松山に入城して松山藩を立藩した。その後,水谷(みずのや)氏(5万石),安藤氏(6.5万石),石川氏(6万石)を経て,1744年(延享1)以降は板倉氏(5万石)が襲封し,維新時の藩主勝静(かつきよ)は老中の一人として活躍した。 関ヶ原の戦直後に立藩したものに浅尾,足守,庭瀬の諸藩がある。…
…正仲,正虎と続き1700年(元禄13)再び山形へ転じた。02年信濃国坂木より板倉重寛が3万石で入部,明治維新まで板倉氏が12代160年余にわたって在封した。初代重寛から3代勝里にかけて福島城の修築が行われ,城下町も整備されて7町となって,各町には検断が置かれた。…
…1617年(元和3)鳥取城主池田長幸が6万5000石で松山に入城し,松山藩政が始まる。その後,領主は水谷(みずのや)氏5万石,安藤氏6万5000石,石川氏6万石を経て,1744年(延享1)以降は板倉氏が,備中国上房,川上,賀陽,下道,哲多,阿賀,浅口7郡の内で5万石を襲封して明治維新に及んだ。藩治で見るべきものには,水谷氏治下での新田開発,松山(高梁)川改修,城下町形成,維新時の藩主板倉勝静(かつきよ)による儒者山田方谷(ほうこく)を登用しての財政改革,産業奨励,文教刷新などがある。…
※「板倉氏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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