日本大百科全書(ニッポニカ) 「丹南」の意味・わかりやすい解説
丹南
たんなん
兵庫県東部、多紀郡(たきぐん)にあった旧町名(丹南町(ちょう))。現在は丹波篠山(たんばささやま)市の西部を占める一地区。1955年(昭和30)味間(あじま)、城南、古市(ふるいち)、大山の4村が合併して町制施行。丹波(たんば)国の南部に位置することから丹南町が成立したが、1999年(平成11)今田(こんだ)、篠山、西紀(にしき)3町と合併、市制施行して篠山市(2019年5月丹波篠山市に改称)となる。JR福知山線、国道176号、372号が通じ、舞鶴若狭自動車道(まいづるわかさじどうしゃどう)丹南篠山口インターチェンジがある。西部と南部は山地、東部は篠山盆地の一部で土地は肥沃(ひよく)である。主産業は農業で、ヤマノイモ、ダイズ(丹波黒大豆)などを特産する。味間は丹波茶の県下最大の生産地。地区内にJRの駅が五つあり、交通の便がよいことから阪神地方のベッドタウン化が進む。味間地区には二村(ふたむら)神社、文保(ぶんぽう)寺などの古社寺が多く、7世紀開基と伝えられる大国(だいこく)寺には、室町初期の本堂、平安時代の大日如来(だいにちにょらい)像など国指定重要文化財が多い。
[二木敏篤]