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乳糖不耐症 にゅうとうふたいしょうlactose intolerance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

乳糖不耐症
にゅうとうふたいしょう
lactose intolerance

牛乳不耐症ともいう。乳糖牛乳を摂取すると腹痛,鼓腸下痢などの消化不良症状を起すものをいう。遺伝的または後天的に乳糖分解酵素が欠乏することによる。後天的な原因は,非熱帯および熱帯性スプルー限局性腸炎,腸の感染症,鞭毛虫症,潰瘍性大腸炎などである。乳糖不耐症の頻度は年齢とともに高くなり,また人種差もある。成人の白人では5%にすぎないが,黒人,黄色人種では 60~90%に及ぶ。

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百科事典マイペディアの解説

乳糖不耐症【にゅうとうふたいしょう】

乳糖を摂取した後,腹痛,腹鳴,水様下痢などが起こる消化不良症。乳糖を分解するラクターゼガラクトキナーゼなどの酵素の欠落,あるいは活性の低下によって起こる。先天性の場合は,哺乳の開始直後から発症し,長期にわたると発育障害をきたす。

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栄養・生化学辞典の解説

乳糖不耐症

 乳糖を加水分解する酵素ラクターゼが少ないか欠損しているため乳糖が消化できずに大腸へ至り,腸内細菌の作用でガスを発生させたり下痢をしたりする症状.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

乳糖不耐症
にゅうとうふたいしょう

糖質の吸収不良症候群の一つで、乳糖(ラクトース)の摂取に伴い、下痢、嘔吐(おうと)、鼓腸、胃腸不快感などの症状がみられる。一般に、腸で糖分が吸収されるときには糖を分解する酵素が働いて二糖類を単糖類に分解するが、乳糖不耐症では、乳糖をブドウ糖(グルコース)とガラクトースの単糖に分解する乳糖分解酵素(ラクターゼ)が先天性に欠損するか、あるいは二次性に活性低下をきたし、乳汁を摂取しても速やかに分解されず、吸収されない乳糖が腸管内にたまり、浸透圧作用によって腸内容を増し、水様性下痢(浸透圧性下痢)をおこす。さらに、腸内細菌によって発酵し、有機酸となって腸管を刺激し、水様便を頻回に排泄(はいせつ)するようになる。続いて嘔吐も出現し、体重の増加が不良となり、慢性栄養障害を引き起こす。
 診断には、これらの症状に加えて、乳糖を経口的に負荷しても血糖値が上昇しないこと、便が酸性で還元糖が存在すること、乳糖を含まない乳汁で症状が改善すること、が参考になる。治療としては、乳糖を含まない治療乳を与え、乳糖分解酵素製剤を投与する。[山口規容子]

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世界大百科事典内の乳糖不耐症の言及

【牛乳】より

…しかし,先天的あるいは後天的にラクターゼが分泌されなかったり,その活性の低い人が牛乳を飲むと,数時間以内に下痢,腹鳴りなどの腹部症状が起きる。これを乳糖不耐症というが,欧米にくらべて日本ではとくに成人に多く見られる。微生物からのラクターゼの工業的生産が可能になり,これを用いて牛乳中の乳糖の3/4ぐらいをあらかじめ分解した製品である。…

【下痢】より

…一方,浸透圧性下痢とは,腸管内の浸透圧を上昇させるような物質が腸管内に存在し,それを希釈するような形で壁から水分が引き出されるもので,塩類下剤などがその代表的なものである。このほか乳糖不耐症(牛乳を飲むと下痢をする例)の下痢もこれに属するものと考えられる。この種の下痢は腸内容が排出されれば下痢は消失する。…

※「乳糖不耐症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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