予備罪(読み)よびざい(英語表記)Vorbereitungshandlung[ドイツ]

  • 予備罪 Vorbereitungshandlung

世界大百科事典 第2版の解説

ここでいう〈予備〉とは犯罪の準備行為のことであり,犯罪の実行に着手する以前の行為をいう。例えば,殺人の目的で凶器毒物を購入したり,侵入窃盗の目的で侵入先の下見をするなどの行為が予備行為である。もっとも,刑法典においては,既遂処罰原則であり,未遂の処罰は例外的である(〈未遂〉の項参照)。したがって,未遂よりさらに犯罪実現から遠い予備の処罰は,きわめて重大な犯罪について例外的に認められているにすぎない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

特定の犯罪を実行する目的でその準備行為することが犯罪とされる場合をいう。刑法上、既遂犯を原則とし、未遂犯、すなわち犯罪を完成させない場合は例外的に処罰されるにすぎない(刑法44条参照)。しかしとくに重大な犯罪に限り、犯罪の実行に着手する前の準備行為が処罰されることがある。これが予備罪である。現行刑法では、内乱、外患、私戦の三罪のほか、建造物放火、通貨偽造、殺人、身代金誘拐、強盗の五罪につき予備が処罰される。なお、特別法に予備罪を規定する場合がある(破壊活動防止法39条・40条など参照)。

[名和鐵郎]

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