雅楽,舞楽,管絃の曲名。唐楽にふくまれ平調(ひようぢよう)。四人舞で文(ぶん)ノ舞(平舞)。五聖楽,五性楽,後生楽とも書く。礼義楽,五楽ともいう。番舞(つがいまい)は《登天楽》。左方蛮絵装束に巻纓(けんえい),緌(おいかけ)をつけた冠をかぶり,片肩袒(かたかたぬぎ)で舞う。仁義礼智信の五徳を,宮商角徴(ち)羽の五律にあてはめたのでこの名があるという。演奏次第は,《平調調子》《品玄(ぼんげん)》(登場)-序(無拍節)-詠(延八拍子)-破(延八拍子)-急(5帖,早八拍子)-入綾(いりあや)(急の重吹(しげぶき)のうちに舞いながら1人ずつ退場)。現行曲中,序破急の3章が揃っている数少ない曲の一つ。
執筆者:加納 マリ
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雅楽の曲名。「ごじょうらく」ともいう。唐楽(とうがく)、平調(ひょうじょう)。舞楽、管絃(かんげん)の両方があり、異名・別字に「天観五常楽」「天祝五常楽」「礼儀楽(れいぎがく)」「五聖楽」など。唐の太宗(在位627~650)の作とも、秦(しん)の始皇帝(在位前246~前210)の作ともいわれ、人間の行うべき仁義礼智(ち)信の五つの徳を宮商角徴羽(きゅうしょうかくちう)の五声に当てはめて表したもの。元来は「平調調子」「序」「詠」「破」「急」「入綾(いりあや)」の6章からなり、雅楽曲のなかでは珍しく序・破・急の3楽章が現存する。いまはない詠では舞人が詞(し)を吟じたという。舞は四人舞で蛮絵(ばんえ)(または襲(かさね))装束。舞人は調子で出手(ずるて)を舞い入場、当曲(序・破・急)を舞ったのち、急を重ねて奏するうちに入綾を舞い退場する。全体に王朝の風雅にあふれ、とくに入綾の舞ぶりはみごとである。番舞(つがいまい)は『登天楽(とうてんらく)』『地久(ちきゅう)』。管絃ではとくに急が簡素で親しみやすく、『越天楽(えてんらく)』とともに有名。
[橋本曜子]
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…しかし重衡が,もはやこの世の運命は決定していると言うので,〈十悪といへども猶(なお)引摂(いんじよう)す……〉の朗詠,〈極楽願はん人は……〉の今様を数回歌うと,重衡も杯を重ねた(〈中音(ちゆうおん)〉)。管絃の曲では,〈後生楽〉に通じる曲名の《五常楽(ごしようらく)》,〈往生の急〉に通じる《皇麞急(おうじようのきゆう)》が奏された。千手がさらに,〈一樹の陰に宿り……〉の白拍子を歌うと,重衡も〈ともし火暗うしては数行(すこう)虞氏が涙……〉という朗詠を歌う(〈三重(さんじゆう)〉)。…
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