奈良県中西部の市。2005年9月旧五条市が大塔(おおとう)村と西吉野(にしよしの)村を編入して成立した。人口3万4460(2010)。
五条市南部の旧村。旧吉野郡所属。人口812(2000)。吉野山系に連なる大峰山脈の西部に位置する急峻な山岳地域で,熊野川水系の十津川が南流する。南朝にゆかりの深い地域で,村名も1889年の舟川郷4ヵ村と十二村郷14ヵ村の合併の際,大塔宮にちなんでつけられた。ほぼ全域が杉,ヒノキの山林におおわれ,奥吉野の秘境の一つであったが,十津川沿いに国道168号線が整備され,交通が便利になった。基幹産業は林業であり,林産物としてはかつての樽丸から近年はみがき丸太へと移行している。また1963年ころからの若年労働者流出により,林業労働者の高齢化が進んでいる。
執筆者:松原 宏
五条市北西部の旧市。西は和歌山県,大阪府と接する。1957年五条町,野原町と大阿太(おおあだ),南阿太,宇智,北宇智,牧野,阪合部の6村が合体,市制。59年には南宇智村を編入して旧宇智郡全域を市域とした。人口3万5205(2000)。北部は金剛山地,南部は吉野山地で,その中央部を吉野川(紀ノ川)が西流し,両岸には4~5段にわたる河岸段丘が見られる。この段丘上に載る旧五条町は古くから四方に交通路が通じる要衝の地で,街道町として発達した。また18世紀末に幕府の代官所が,明治に入って郡役所が置かれるなど,この地方の政治の中心としても発達し,その商圏は十津川(新宮川)流域に及んだ。吉野川のいかだ流しによる木材の集散地であった五条では製材業や割りばしの生産が盛んで,後背山地では富有柿の特産がある。吉野川の音無淵右岸の栄山寺には国宝の八角円堂があり,市中には天誅組挙兵の際に本陣となった桜井寺がある。JR和歌山線が通る。
執筆者:橋本 征治
五条市中部の旧村。旧吉野郡所属。人口3911(2000)。紀伊山地の北端,吉野川支流の丹生川上流域にあたり,村域は1000m級の山々からなる南部と300~400mの丘陵からなる北部とに二分される。北部の緩斜面での果樹栽培が盛んで,特に富有柿は有名。林業地帯は南部の山地に広がり,近年はみがき丸太などの生産が盛んである。村内に吉野第1発電所があり,賀名生(あのう)は南北朝期には南朝方の拠点であり,梅の名所としても名高い。春日神社本殿,西田家住宅,堀家住宅は重要文化財。
執筆者:松原 宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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