井深大(読み)イブカマサル

デジタル大辞泉 「井深大」の意味・読み・例文・類語

いぶか‐まさる〔ゐぶか‐〕【井深大】

[1908~1997]実業家。栃木の生まれ。昭和21年(1946)盛田昭夫とともに東京通信工業(ソニー前身)を創立。初の国産テープレコーダートランジスターラジオなど、独創的な製品を次々と開発し成功した。平成4年(1992)文化勲章受章。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「井深大」の解説

井深 大
イブカ マサル

昭和・平成期の実業家,電子工学者 ソニー創業者;ソニー教育振興財団理事長



生年
明治41(1908)年4月11日

没年
平成9(1997)年12月19日

出生地
栃木県日光

出身地
兵庫県神戸市

学歴〔年〕
早稲田大学理工学部電気工学科〔昭和8年〕卒

主な受賞名〔年〕
パリ博覧会優秀発明賞,藍綬褒章〔昭和35年〕,勲一等瑞宝章〔昭和53年〕,アスペン人文研究所人文技術賞(米国)〔昭和56年〕,スウェーデン勲一等北極星章〔昭和61年〕,勲一等旭日大綬章〔昭和61年〕,エドアルド・ライン・リング(西ドイツ)〔昭和61年〕,経営科学化有功章〔昭和61年〕,土川元夫賞〔昭和63年〕,文化功労者〔平成1年〕,早稲田大学校賓〔平成3年〕,文化勲章〔平成4年〕,財界賞特別賞(第37回)〔平成4年〕,東京都名誉都民〔平成5年〕

経歴
大学在学中に「光るネオン」を発明、パリ博覧会で優秀発明賞を受賞。PCL(写真化学研究所・のちの東宝映画)、日本光音工業を経て、昭和15年日本測定器を設立常務、この頃盛田昭夫と知り合う。20年8人のメンバーで東京通信研究所を発足コンバータで当てて21年東京通信工業を設立して専務、25年社長。日本初のテープレコーダー、同じく日本初のトランジスタ・ラジオ、トランジスタVTRなど電気機器生産に乗り出し、33年社名をソニーと変更、トランジスタ・ラジオ、テレビで世界的企業に成長させた。46年会長、51年名誉会長に退く。技術者型創業経営者。また、34年小学校理科教育振興資金制度を設けて以来、早期教育幼児教育問題にも熱心で、43年幼児開発協会を設立、理事長に就任。平成4年文化勲章受章。6年11月ソニー・ファウンダー・最高相談役となる。著書に「幼稚園では遅すぎる」「子育て母育て」などがある。没後の10年大学生のための井深大記念奨学基金が設立される。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「井深大」の意味・わかりやすい解説

井深大
いぶかまさる
(1908―1997)

実業家。栃木県日光に技術者甫(たすく)の長男として生まれる。1933年(昭和8)早稲田(わせだ)大学理工学部電気工学科卒業。すでに在学中「走るネオン」の発明で才能を示す。卒業後は写真化学研究所に入り、1937年日本光音の無線部長、1940年日本測定器の常務となる。第二次世界大戦後、1946年(昭和21)東京通信工業を創立し専務、1950年社長に就任。1958年ソニーと社名を変更、1971年会長、1976年名誉会長、1990年(平成2)ファウンダー・名誉会長、1994年ファウンダー・最高相談役に就任。同社は独自の製品開発を重視し、海外市場の開拓にもいち早く成功を収めた。彼は戦後の代表的な技術者経営者の一人であり、発明協会会長のほか、幼児教育にも関心が深く、幼児開発協会理事長も務めた。1992年文化勲章受章。

[浅野俊光]

『『私の履歴書 第18集』(1963・日本経済新聞社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「井深大」の意味・わかりやすい解説

井深大【いぶかまさる】

技術者,実業家。栃木県生れ。アマチュア無線黎明期から積極的に活動し,早大電気工学科卒。在学中から発明を行った。1945年東京通信研究所を設立。1946年盛田昭夫〔1921年−1999年〕とともに東京通信工業を設立,1950年社長,1958年ソニーと改称し,1971年会長,1976年名誉会長,1994年最高相談役。日本初の磁気テープレコーダー,トランジスターラジオ,カラーテレビなどを開発して,ソニーを世界的ブランドに発展させた。幼児教育にも力を注ぎ,1969年に幼児開発協会を設立。1992年文化勲章。
→関連項目盛田昭夫

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「井深大」の意味・わかりやすい解説

井深大
いぶかまさる

[生]1908.4.11. 栃木,日光
[没]1997.12.19. 東京
昭和期の実業家。早稲田大学在学中に「動くネオン」を開発し,パリ万国博覧会で優秀発明賞を受賞。 1940年,日本測定機器の常務となり,熱線誘導兵器の開発中に盛田昭夫と出会い,1946年に東京通信工業 (のちのソニー ) を設立。 1950年に同社社長,1971年に会長,1976年に名誉会長に就任。テープレコーダ,トランジスタラジオの開発をはじめ,ウォークマン (ヘッドホン付き携帯用カセットテープ・プレーヤ,商品名) ,携帯用8ミリビデオテープレコーダなどの大ヒット商品を送り出し,日本のみならず世界の音響機器,家電機器分野を常にリードしてきた。 1989年に文化功労者となり,1992年に文化勲章を受章。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「井深大」の解説

井深大 いぶか-まさる

1908-1997 昭和-平成時代の経営者。
明治41年4月11日生まれ。昭和21年盛田昭夫と東京通信工業を設立し,25年社長。国産初のテープレコーダー,トランジスターラジオなどを商標「SONY」で輸出。33年社名をソニーに改称。独創的な技術開発を主導し,営業担当の盛田とのコンビで同社を「世界のソニー」にそだてた。46年会長。幼児開発協会理事長などもつとめた。平成4年文化勲章。平成9年12月19日死去。89歳。栃木県出身。早大卒。
【格言など】技術者の技能を最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設(ソニーの設立趣意書)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「井深大」の解説

井深 大 (いぶか まさる)

生年月日:1908年4月11日
昭和時代;平成時代の実業家;電子工学者。ソニー社長;ソニー教育振興財団理事長
1997年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の井深大の言及

【ソニー[株]】より

…日本を代表する国際的エレクトロニクス企業。前身である東京通信工業(株)が井深大(1908-97),盛田昭夫らによって設立されたのが1946年5月。同社は真空管電圧計,電磁音叉(おんさ),通信機器の試作研究・生産を行っていたが,50年7月には日本初のテープレコーダーG型を発売。…

※「井深大」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android