京丹波(読み)きょうたんば

改訂新版 世界大百科事典 「京丹波」の意味・わかりやすい解説

京丹波[町] (きょうたんば)

京都府中部,船井郡の町。2005年10月丹波,瑞穂(みずほ),和知(わち)の3町が合体して成立した。人口1万5732(2010)。

京丹波町南東部の旧町。船井郡所属。人口8690(2000)。丹波高地の中央部に位置する。中心の須知(しゆうち)は山陰道の要所にあり,江戸時代は宿場町として発展した。主産業は農業で,米作酪農畜産が盛ん。北部をJR山陰本線が通り,下山駅がある。また国道9号線と27号線が交差し,沿線の蒲生野原(こもうのはら)は工業用地,住宅用地となっている。九手(くて)神社本殿,大福光寺本堂などは重要文化財に指定されている。

京丹波町西部の旧町。船井郡所属。人口5235(2000)。南は兵庫県に接し,町域の大部分が標高500m前後の丹波高地で,由良川の支流高屋川と土師(はぜ)川が流れる。古くより京と丹波・丹後を結ぶ道筋(山陰道)にあたり,北東部の質美(しつみ)は石清水(いわしみず)八幡宮領の荘園であった。江戸時代には幕府領,旗本領や綾部藩領,亀山藩領,等持院領などが錯綜した。米作,野菜栽培のほか丹波マツタケ,丹波栗の主産地として,増産がはかられている。高屋川に合流する質志(しずし)川の東岸に鎮座する酒治志(しゆじし)神社は《延喜式》神名帳の酒治志(さかちしの)神社に比定され,中台の曹洞宗西岸寺には和泉式部の墓と伝える五輪塔がある。質美八幡宮の秋の例祭には山車や屋台が社前に参入し,参詣者でにぎわう。国道9号,173号線が通じる。

京丹波町北部の旧町。船井郡所属。人口4004(2000)。丹波高地にあって町域のほとんどは山地で,西流する由良川に注ぐ上和知川,高屋川の沿岸にわずかに平地がある。中世には仁和寺領和知荘があり,同荘の鎮守としてまつられた阿上三所(あじようさんしよ)神社は本庄(ほんじよ)にあり,のち地頭の片山氏によって坂原と下粟野にも分祀された。江戸時代は園部藩領で,水路をひいて子来(ねごろ)新田などが開発されている。森林資源にめぐまれて良材を産するほか,和知栗,黒大豆の特産もある。自動車部品工場も立地する。和知文楽や和知太鼓などの郷土芸能が伝わる。川沿いに国道27号線とJR山陰本線が走る。
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