人性論(読み)じんせいろん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

人性論(中国思想)
じんせいろん

中国思想史における人間の本性に関する諸説をさす。性とは生得そのままの人為の加わらない状態をいう。孔子(孔丘(こうきゅう))は単に「性は相近し、習は相遠し」(『論語』陽貨篇(へん))というだけでその詳細は不明であるが、下って『中庸(ちゅうよう)』では、「天の命ずる、これを性と謂(い)う」と、初めて性を定義づけている。この性をとらえて孟子(孟軻(もうか))は「性善」を主張し、ついで荀子(じゅんし)は「性悪」を唱えてまっこうから対立し、性説に人々の関心を集めた。この後これを調和折衷する説も多く、性無善無悪説(告子(こくし))、性善悪混合説(揚雄(ようゆう))、性有善悪説(王充(おうじゅう))、性情相応説(荀悦(じゅんえつ))、性善情悪説(李(りこう))等が現れ、さらに性を種類分けしようとするものに性三品説(文中子、韓愈(かんゆ))、内容によって分けようとするものに本然気質説(張載(ちょうさい))、性気一元説(程(ていこう))、性情一元説(王安石(あんせき))等が主張されるようになり、かくして性は中国哲学の中心問題の一つとなった。いわゆる宋明(そうみん)の性理学がこれである。[町田三郎]
『森三樹三郎著『上古より漢代に至る性命観の展開』(1971・創文社) ▽徐復観著『中国人性論史』(1968・台湾商務印書館)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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