人間論(読み)ニンゲンロン

デジタル大辞泉 「人間論」の意味・読み・例文・類語

にんげんろん【人間論】

原題An Essay on Manポープの詩作品。1733年から1734年にかけて発表。書簡形式で書かれた啓蒙詩。
《原題、〈フランスEsquisses de l'hommeアラン著書。1927年刊行。ノルマンディー地方紙に1906年から1914年にかけて連載され、第一次大戦後も複数新聞雑誌で発表された「プロポ(哲学的断章)」の中から、人間のあり方に関する論考を抜粋してまとめたもの。人間の素描。→幸福論

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改訂新版 世界大百科事典 「人間論」の意味・わかりやすい解説

人間論 (にんげんろん)
An Essay on Man

イギリス詩人ポープによる哲学詩。1733-34年刊。古典詩の一つの重要な形式としての書簡体を選び,親友ボリングブルックにあてた形式をとり,4部に分かれる。〈人間研究こそ正しき知識目標〉と断言して,理性宇宙秩序の中に置かれた人間存在を考察する。英雄対韻句をみごとに駆使するが,18世紀合理主義の楽天性,思想的平板さは否定できない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人間論」の意味・わかりやすい解説

人間論
にんげんろん
An Essay on Man

イギリスの詩人 A.ポープ思想詩。 1733~34年に,初め匿名で出版された。ボリングブルック卿にあてた4つの書簡詩という形式をとり,詩型ヒロイック・カプレット。第1書簡では人間と神および宇宙との関係を説き,「存在の連鎖」の思想を述べる。第2書簡は人間の本性,その心理的特色を述べ,理性と欲望調和を説く。第3書簡は人間と社会との関係を取上げ,社会が原始状態から文明へと発展する姿を跡づける。やや遅れて出た第4書簡は幸福とは何かを論じている。

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