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仁王会 にんのうえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

仁王会
にんのうえ

天下泰平,鎮護国家を祈願して『仁王般若経』を読誦する法会。中国では陳の永定3 (559) 年に,日本では斉明6 (660) 年に初めて行われた。その後,毎年2,7月頃に宮中大極殿紫宸殿清涼殿などで行われた。

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百科事典マイペディアの解説

仁王会【にんのうえ】

仁王経》を読誦(どくじゅ)すれば,国土の乱れ,災害・盗賊の難が静まり,天下泰平・鎮護国家となるとの信仰から行われた法会。中国では古くからあったが,日本では660年に始められ,天皇一代一度の全国百ヵ所の仁王会を初め,国家大事の時の臨時の仁王会,春秋の仁王会などがあった。
→関連項目鎮護国家

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世界大百科事典 第2版の解説

にんのうえ【仁王会】

仁王般若会,仁王経会ともいう。護国三部経の一つである《仁王経》を所依とし,100の仏菩薩像と100の高座を設け,100人の僧を請じ,鎮護国家・万民快楽などを祈願した勅会。660年(斉明6)5月に行われたのが最初で,729年(天平1)6月には朝堂および畿内七道の諸国で行われた。750年(天平勝宝2)2月には請僧100人,宮中安殿と平城左右京,畿内や諸国で《仁王経》が講説された。《正倉院文書》には,753年3月に行われた仁王会の仏画などを調製した仁王会所の名がみえる。

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大辞林 第三版の解説

にんのうえ【仁王会】

宮中の大極殿・紫宸殿ししんでん・清涼殿などで、仁王経を講じ、鎮護国家を祈った行事。毎年三月と七月の春秋二季の恒例のものと、臨時のものがあった。660年に始まる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

仁王会
にんのうえ

仁王般若会(はんにゃえ)、仁王経会、百座仁王会ともいう。護国三部経の一つである『仁王経』をよりどころとして、100幅の仏菩薩(ぶつぼさつ)像と100の高座をしつらえ、100人の高僧を請(しょう)じて鎮護国家、万民幸福などを祈願した勅会(ちょくえ)。660年(斉明天皇6)5月に行われたのが最初で、奈良時代に至っては再三祈修されたことが『続日本紀(しょくにほんぎ)』『正倉院文書』などで判明する。ことに当代では仁王会司(所)が設けられて、『仁王経』の書写や五大力尊などや100仏像の画像が新写され、平城宮安殿・左右二京・畿内(きない)や諸国の寺々に高座を設け、日時を決めて『仁王経』が講説された。平安時代には794年(延暦13)9月に平安新宮で100法師を請じて行われたのが最初で、以後盛んに行われた。834年(承和1)6月の当会は、紫宸殿(ししんでん)・常寧(じょうねい)殿をはじめとして八省の官衙(かんが)諸堂から羅城門(らじょうもん)内にも及んで100高座が設けられて行われ、860年(貞観2)4月の仁王会は、都内69所、都外に31所の高座を設けて朝夕2回にわたって行われた。以後、天皇一代一度の勅会として制度化したようで、『本朝世紀』の986年(寛和2)5月の場合には「一代一度の大仁王会」と称し、宮中清涼殿(せいりょうでん)・紫宸殿・大極殿などをはじめとして京都中に32所の高座を設け、ほかは畿内諸国の寺々で祈修された。『延喜式(えんぎしき)』図書(ずしょ)寮と玄蕃(げんば)寮の項に精細な記載がある。このほかに臨時に行われる場合があった。水旱(すいかん)、流行病や天災の鎮圧などのときは臨時仁王会が行われたし、また平安時代中期ころには、春秋二季(4月・10月)に仁王会が行われたことが『西宮記(さいぐうき)』『小野宮(おののみや)年中行事』『玉葉(ぎょくよう)』などによって判明し、また諸大寺でも年中行事の一つとして定着していたことが『東大寺要録』『東宝記』などによって窺知(きち)される。[堀池春峰]

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世界大百科事典内の仁王会の言及

【法会】より

…日本では598年(推古6)4月に聖徳太子が,諸王・豪族を集めて法華・勝鬘(しようまん)の2経の講義を行ったことが知られ,仏教の興隆流布とともに各種の法会が催された。経論の主旨を究明しようとした維摩(ゆいま)会最勝会,唯識会,俱舎(くしや)会,華厳会,法華会をはじめ,国家の安泰を祈る仁王(にんのう)会,大般若会や,釈迦の入滅を追慕し報恩の意を表す涅槃(ねはん)会は,やがて一宗一寺の祖師信仰と結びついて,祖師の御影(みえ)像や堂を造って忌日に法事を行うにいたった。中世には祖先の追善冥福を祈る法会も一般化し,ときに斎(とき)(食事)の席を設けるなどして今日に至っている。…

※「仁王会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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