日本歴史地名大系 「今堀郷」の解説
今堀郷
いまぼりごう
保内下四郷の一つで、保内商業の中核的役割を果し、また一方で中世惣村の一典型としての姿をもみせた地域として著名。正和三年(一三一四)三月二三日付の「いまほりのかう」内の畠一段を売却したという源次郎畠売券(今堀日吉神社文書、以下とくに断らない限りは同文書)が郷名の初見史料と考えられる。
〔今堀日吉神社〕
鎌倉後期以降
中世の十禅師社をめぐる神祭を軸にした多様な年中行事が確認される。年頭にあたり神社の大戸を開いて神の出現来臨を表す大戸開(現在は元始祭)や御供行事、毘沙門講・薬師堂仁王会・結鎮、そのほか山神祭祀・大般若経・頭ざし・十禅師祭・百万遍念仏・彼岸念仏・山王祭・盆行事・八幡講などがおもなもので、こうした宗教行事を維持・管理し宮座を運営するために、同社は多くの神田畠や林野を所有、また郷内のさまざまな講も講中としての田畠をもった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報