伊根(読み)いね

精選版 日本国語大辞典 「伊根」の意味・読み・例文・類語

い‐ね【伊根】

京都府北部、奥丹後半島与謝郡地名、また、港の名。伊根町には浦島伝説宇良神社がある。丹後国歌枕
月詣(1182‐83)九「橋立の松吹く風におどろきていねのあま人衣打つなり〈覚綱〉」

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デジタル大辞泉 「伊根」の意味・読み・例文・類語

いね【伊根】

京都府与謝郡の地名。丹後半島の北東部に位置する。同名の湾に建ち並ぶ舟屋群で知られるほか浦島伝説を伝える浦嶋神社などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「伊根」の意味・わかりやすい解説

伊根[町] (いね)

京都府北端,与謝郡の町。人口2410(2010)。丹後半島の東端に位置する。町域の大部分は碇高原が占めるが,筒川沿いの本荘には水田もひらけている。海岸線には伊根,新井,泊,浦島,本庄漁港が並び,特に伊根は江戸時代からブリの好漁場で丹後ブリと称され,名産であった。近年,織物業も導入されているが,人口は減少傾向にある。日本海,若狭湾に面し,夏には海水浴客でにぎわう。伊根湾には,階下船場で,2階が住居になっている独特の船屋がある。浦島伝説が伝わる地で,宇良神社(浦島神社)は浦島太郎をまつり,玉手箱,乙姫小袖,浦島絵図などが伝えられ,南北朝期前後の成立とされる《浦島明神縁起》は重要文化財に指定されている。
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