出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
平安後期以来、神祇伯(じんぎはく)を世襲した白川家(神祇伯に就任すると王号を許された)に伝えられた神道。本来は朝廷の祭祀(さいし)に奉仕しながらその祭式・行事を伝えたものであって、特別の教義を有したものではないが、その伝承には、他にみられない貴重な内容が含まれており、一部は、近世中期の雅富(まさとみ)王の編した『伯家部類』にうかがうことができる。この雅富王のころより伯家の神道としての自覚が高まり、学頭森昌胤(まさたね)の『神道通国弁義』も出たが、1816年(文化13)には国学者平田篤胤(あつたね)に依頼して『神祇伯家学則』を作成した。その後幕末にかけて、有力な学者を学頭・学師に迎え、庶民の間にも普及する勢いを示した。
[谷 省吾]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…神祇伯は宮中祭祀のみならず,全国の神社を統轄するが,古くから神事をつかさどる氏族で伯家に次ぐ神祇大副(神祇官の次官)を世襲した卜部氏吉田家の兼俱(1435‐1511)が唯一神道を創始し,神祇官領長上を自称して,地方神社をその支配下におくようになったため,白川家は振るわなくなった。そこで江戸時代に入って,吉田家に対抗して自家の独自の神道説を地方神社に広め伯家神道(はつけしんとう)と称するに至った。しかししょせんそれは吉田神道に及ばなかった。…
※「伯家神道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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