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住血吸虫症 じゅうけつきゅうちゅうしょうSchistosomiosis

家庭医学館の解説

じゅうけつきゅうちゅうしょう【住血吸虫症 Schistosomiosis】

[どんな病気か]
 住血吸虫による感染症で、流行地の水田や沼沢(しょうたく)に入ったときにセルカリアという幼虫が皮膚から侵入して感染します。
 種類としては、日本、中国、東南アジアに分布する日本住血吸虫症(にほんじゅうけつきゅうちゅうしょう)、アフリカ、南米に分布するマンソン住血吸虫症(じゅうけつきゅうちゅうしょう)、アフリカ、西アジアに分布するビルハルツ住血吸虫症(じゅうけつきゅうちゅうしょう)などがあります。
 日本ではその撲滅(ぼくめつ)に成功しており、新しい感染者はみられず、慢性症の人が存在するだけになりましたが、最近は、外国の流行地を旅行して感染する人がいますから、注意が必要です。
[症状]
 幼虫が皮膚から入ると、かゆみをともなった皮膚炎がおこり、粘血便(ねんけつべん)や下痢便(げりべん)がみられます。慢性化すると、腸の静脈に寄生する日本住血吸虫とマンソン住血吸虫では、貧血(ひんけつ)が強くなり、肝硬変(かんこうへん)、腹水貯留(ふくすいちょりゅう)、脾腫(ひしゅ)などがおこります。膀胱(ぼうこう)や肛門(こうもん)周囲の静脈に寄生するビルハルツ住血吸虫では血尿(けつにょう)や膀胱炎がおこります。虫卵(ちゅうらん)はしばしば肺、脳などに送られ、てんかん発作(ほっさ)の原因となることもあります。
[検査と診断]
 沈澱法(ちんでんほう)という方法で糞便(ふんべん)や尿を調べ、虫卵が見つかれば診断がつきます。また、からだの外から針を刺して肝臓や直腸の組織をとって調べる検査(肝生検(かんせいけん)や直腸生検)も行なわれます。血清反応(けっせいはんのう)で調べる検査も非常に役立ちます。
[治療]
 プラジカンテルを2日間内服します。副作用がありますから、妊娠3か月未満の人には使われませんし、薬を服用してから72時間以内に授乳をしてはいけません。
 流行地の川や湖で泳がないこと、素足で田んぼに入らないことが予防になります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典内の住血吸虫症の言及

【届出伝染病】より

…伝染病予防法(1954制定)によって届出が義務づけられているインフルエンザ,狂犬病,炭疽,伝染性下痢症,百日咳,麻疹,急性灰白髄炎(ポリオ),破傷風,マラリア,恙虫(つつがむし)病,フィラリア症,黄熱,回帰熱の13疾患を指す。これらの疾患を診断した医師は,24時間以内に患者の所在地の保健所長に届け出なければならない。しかしながら,指定伝染病の急性灰白髄炎を除いて,隔離・消毒の義務は伴わない点が,法定伝染病指定伝染病とは異なる。…

※「住血吸虫症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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