保険代理店(読み)ホケンダイリテン

デジタル大辞泉 「保険代理店」の意味・読み・例文・類語

ほけん‐だいりてん【保険代理店】

特定保険会社のために、独立して保険契約締結代理または媒介を行う者。

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共同通信ニュース用語解説 「保険代理店」の解説

保険代理店

保険会社に代わって顧客に保険商品を紹介し、契約を結ぶ権限を持つ業態。日本損害保険協会によると、損害保険の商品を取り扱う代理店は2023年度末時点で約15万店あり、損害保険の契約のうち約9割が代理店経由となっている。複数の保険会社の商品を扱う「乗合のりあい代理店」のほか、自動車や住宅の販売会社が兼ねることもある。

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精選版 日本国語大辞典 「保険代理店」の意味・読み・例文・類語

ほけん‐だいりてん【保険代理店】

  1. 〘 名詞 〙 保険会社の委任を受けて、保険契約・支払保険金の取次ぎ、保険料の収納などを行なう店。

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改訂新版 世界大百科事典 「保険代理店」の意味・わかりやすい解説

保険代理店 (ほけんだいりてん)

特定の保険会社の委託を受け,その保険会社のために継続的に保険契約の締結の代理または媒介をする者をいい,損害保険,生命保険双方に存在する。保険会社は,全国どこでも適任者を求めて代理店を委託し,保険契約の募集にあたる販売網をつくっている。保険会社のためではなく,もっぱら保険契約者の側に立ち,保険会社あるいはその代理店との契約の仲介を行う者を保険ブローカーというが,日本ではブローカーは認められていない。代理店を機能別に分類すれば,保険契約の締結の代理をする締結代理店と,単に契約成立の媒介をする媒介代理店に分けられる。損害保険の場合,保険期間が1年ないしはそれ以内のものが多く,また海上保険においては,1航海,1運送期間であるため迅速な契約の締結が必要とされることから,締結代理店が一般的な形態である。一方,生命保険の場合は,契約が長期にわたることが多く,また身体,健康状態についての診査等を保険会社が実施し契約締結の可否を判断することもあり,契約成立を単に媒介する媒介代理店が普通である。両者はともに商法46条で規定されている代理商にあたる。

 日本の場合,保険代理店は〈保険募集の取締に関する法律(募取法)〉によって大蔵大臣の監督下におかれている。これにより,保険代理店は大蔵大臣に対して登録することを義務づけられ(同法3条),大蔵大臣の求めに応じて業務に関する報告を行う義務を負う,などの規制がなされている。保険会社と代理店との間の契約の内容に関しては,法文上は,前記の募取法と商法46条以下の代理商の規定が存在するだけであり,具体的に委託される権限等については,保険会社と代理店との間で締結されている代理店委託契約書により,個々に決められている。日本の代理店による保険契約の募集活動は,募取法に基づき登録された代理店またはその使用人にのみ許されている(同法9条)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「保険代理店」の意味・わかりやすい解説

保険代理店
ほけんだいりてん
insurance agent

特定の保険者のために継続的に保険契約の締結または媒介をすることを業とする者で,独立の営業者であり,保険者の使用人ではない。法律で定める特定の者を除き,個人,法人または法人でない社団,もしくは財団であるとを問わず原則として代理店となることができる。保険代理店は保険業法の第3編の諸規定により規制されており,内閣総理大臣の登録を受けなければならない(保険業法276)。保険者が株式会社である場合は,代理店は代理商として商人であるが(会社法16),保険者が相互会社の場合には,代理店には代理商に関する会社法の規定が準用される(保険業法21)。契約締結の代理権を与えられた締約代理商と,媒介のみを行なう媒介代理商とがあるが,損害保険の代理店は損害保険会社のために損害保険締結の代理権を有するのが一般的である。他方,生命保険の代理店は,1995年の保険業法改正により契約締結の代理権を有することが認められたものの,通常は生命保険会社のために生命保険契約締結の媒介をする権限を有するにとどまり,また原則として生命保険会社 1社の専属制に服している(保険業法282)。これは,損害保険については保険期間が短期(1年もしくは 1年以内,1航海,1運送区間など)で迅速な契約締結を要するのに対して,生命保険は長期契約かつ医学的な診査など契約成立に日時を要するなどの事情による。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「保険代理店」の意味・わかりやすい解説

保険代理店
ほけんだいりてん
insurance agent

一定の保険会社の委託を受けて、その保険会社のために継続的に保険契約の締結の代理または媒介をすることを業務とするもの。代理店には保険契約の締結を代理する締結代理店と、保険契約の媒介をするにすぎない媒介代理店とがある。

 わが国においては、損害保険では、保険期間が比較的短く、迅速な締結を要する場合が多いので、締結代理店が普通となっている。代理店の権限などについては別段の規定はない。保険会社と代理店との間に交わされた代理店委託契約書によって規定されており、手数料も代理店の階級制によって差が設けられている。生命保険では、保険期間が長期であり、身体検査などについても日時を要することから、契約の成立を単に媒介する権限にとどまる媒介代理店が常態である。しかも生命保険では、外務員が販売機関の主力となっているので、代理店の実情は微々たるものである。媒介代理店には、特定外務員に見込み客の紹介を行い、外務員から手数料を受け取る紹介代理店と、第2回以降の保険料の集金およびそれに付随する事務を取り扱う集金代理店とがある。後者の代理店には保険料集金額の一定割合が手数料として支給される。

[金子卓治]

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