翻訳|fuze
弾薬類を爆発させるための一連の機構および火薬をもつ装置。弾薬類に装着され,衝撃,電気的エネルギー,化学反応,静水圧等またはこれらの組合せにより作動し発火する。信管は,装着する弾薬類が所望の時機に確実に爆発する〈信頼性〉,所望の時機以外では爆発しない〈安全性〉,所望の効果を発揮するための〈効果性〉などを保証する機能をもたねばならない。信管の作動は,安全状態からいつでも作動する状態になる過程(安全解除という)と,作動し弾薬類を爆発させる過程に区分される。信管は装着対象別(砲弾用信管,爆弾用信管等),使用目的別(榴弾用信管,手榴弾用信管等),位置別(弾頭信管,弾底信管等)および機能別(着発信管,近接信管,時限信管等)などにより分類される。着発信管とは弾着により作動するもので,弾着とほとんど同時に爆発させる瞬発信管や弾着後多少遅れて(0.5秒以下)爆発させる短延期信管などがある。後者は,たとえば装甲で防護された物体に対して使用し,砲弾が装甲を貫通した後に爆発させ,被害を大きくするために用いる。近接信管はVT(variable time)信管ともいい,目標に一定の距離まで接近すると作動するもので,第2次大戦中に対空火砲用に開発された。これは電波を発射して物体からの反射波をとらえるものであった。時限信管は設定した時間に作動するものであり,時間を区切る方式には電気式あるいは機械式のもの,また火薬式のものがある。後者は,砲弾を目標上空で爆発させて地表面上の被害を大きくするための曳火(えいか)射撃などに用いる。
執筆者:角園 睦美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
砲弾や爆弾に充填(じゅうてん)されている装薬を、希望の時刻あるいは希望の状況のもとで爆発または発火させるための点火用装置。
一般に砲弾または爆弾に装備される位置によって弾頭信管、弾底信管に分けられ、さらに機能によって、(1)弾丸が目標に命中したとき瞬間的に作動する人員殺傷用の通常型瞬発信管、(2)同じ状況でも多少の遅れをもたせ、装甲などを貫徹してから作動する遅延(ちえん)信管、(3)弾丸が発射されたのち、あらかじめ指定した時間後に弾丸の装薬を点火爆発させる時限信管がある。時限信管には機械式と火薬式があるが、現在では機械式だけが対空火砲および時限爆弾などに利用されている。さらに、(4)射出された砲弾またはミサイル自体から電波を出し、目標からの反応をキャッチして作動する近接信管、(5)飛翔(ひしょう)中のミサイルまたは地雷や機雷などを遠方から電波などで操作する管制信管、などがあり、発火の方法には、火薬を利用した撃発・慣性、電気、時計、電波、磁気、音響、水圧などの種類があり、各種の目的に適合して使われている。とくに第二次世界大戦中アメリカで開発された電波利用の近接信管(VTフューズ)は対空用信管の大発明としてよく知られている。
なお、信管は、保管中や運動中は作動をおこしえない状態に置かれるが、発射後は、信管に急激に加わる加速力や、旋条(ライフリング)のための旋転による遠心力によって信管の安全が完全に解かれてから、目的にあわせて作動する。
[小橋良夫]
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